【2021年度】中学生新英語教科書で変わること~仮定法など高校の内容が増え、単語量は約2倍!?~
2021年度より中学校の教科書は新しい学習指導要領に合わせ変更されます。
今回の一番の変更点は英語です。
小学校では2020年に変更され、小学校3,4年生から英語活動、5,6年生からは英語が教科として扱われ、算数や国語と同様にテストが実施されています。
中学校では、これまで高校で学習していた仮定法などの英文法が加わり、英単語も大幅に増えることが決まっています。
しかしWeb上では必要以上に英語学習の必要性を訴える内容や、間違った情報を掲載しているのもよく見かけるようになりました。
この記事では、2021年度より使用される教科書の内容を踏まえ、実際にどのように変わるのかをご紹介したいと思います。
この記事を読んで頂ければ、新しい英語教育の正しい情報をもとに、どのような準備をすればよいのかが分かっていただけるかもしれません。
変更点の概要
2021年10月より、各教科書出版会社のWebサイトでは、2021年度以の教科書についての情報が公開されています。
これらのWebサイトでは実際の教科書の内容や、目次なども確認できます。
大まかな変更点としては、高校の文法内容が増え、単語量も増えますが、中学1年生のはじめの内容は、再度アルファベットから学習するように構成されています。
英単語も含め小学校で学習した内容のほとんどはもう一度学習できるように教科書が構成されています。
また2021年度から導入されるため2020年度に中学1、2年生だった生徒は、途中から教科書が変わることになります。
そのため2020年度に中学1、2年生だった生徒以降処置として、教科書とは別冊のテキストやプリントを使用して学習していますが、そこまで膨大な量のものではありません。
そこからも分かるようにこれまでより内容は確実に増えますが、急激に内容が変化するわけではなく、また小学校で学習した内容をすべて習得している前提で教科書は構成されていません。
ただしこれはあくまでも2020年度までの教科書と比べての内容です。
保護者の方々が中学校時に学習していた内容と比べると、とても難しくなっているように感じると思います。
また2021年度からは英語の授業はすべて英語ですることになりますが、これまでも高校では英語の授業はすべて英語ですることになっていました。
(2008年の学習指導要領からそのように記載されています。)
そのため中学校でも英語の授業をすべて英語ですることは、努力目標になるように思います。
つまり2021年度の改訂は、これまで中学校で行われていた英語教育の延長上での改訂であると言えます。
ただ中学生にとっては新しい文法、英単語の増加により、確実に負荷が増えることは確かです。
そのうえ学校の授業時間は小学校で増えたとは言え、中学校で増えるわけではないので、小学校で習う英語は理解しておく必要があると言えます。
小学生にとっては小学校で習う内容をしっかり理解しておけば大丈夫ですが、これまでのように中学校になるまでにまったく英語に触れたことがない状態だと、中学校での負荷は増えているため、英語で躓く可能性は高くなります。
次はどのように変更されるかを分野ごとにご紹介します。
文法について
中学校で新たに追加される主な文法は下記になります。
現在完了進行形
原形不定詞
仮定法
それに伴い、今まで2年生で学習していたbe動詞の過去形、過去進行形を1年生で学習し、今まで3年生で学習していた現在完了形を2年生で学習する教科書が多くなります。
各学年の教科書の目次を見ると約1~2単元分が上の学年から移動しています。
(開隆堂出版SUNSHINEの場合)
また特徴的なのが中学1年生の文法の導入の仕方です。
これまではbe動詞を学習してから一般動詞を学習していましたが、新しい教科書ではbe動詞と一般動詞を一番はじめの章で一緒に学習します。
小学校でbe動詞と一般動詞の文章にある程度触れているため、小学校で学習した内容の復習として、このように構成されているのではないかと考えられます。
そのため小学校で習う英語をしっかり理解しておくことが中学校での英語を取り組むうえで大切になってきます。
英単語数について
英単語数はこれまでは、中学校1200語、高校1800語でしたが、2021年度からは、小学校600~700語、中学校1600~1800語、高校1800~2500語に変更されます。
|
これまで |
新学習指導要領 |
小学校 |
0 |
600~700 |
中学校 |
1200 |
1600~1800 |
高校 |
1800 |
1800~2500 |
合計 |
3000 |
4000~5000 |
合計で最大2000語の増加となりますが、小学校で習う単語数が増加していることが増加の割合としては多いため、難しい英単語が2000語増えるわけではありません。ただ生徒にとって大きな負担になることには違いありません。
小学校で習った英単語は中学校の教科書にも学習したものとして掲載されており、新出語句として扱われていません。
また中学校でみれば2200~2500語になり、中学卒業時点でこれまでの約2倍の単語数になります。
ただし小学校での学習時間もあるので、単純に中学3年間で学習する単語量が2倍になるわけではありませんが、小学生のうちから英単語はしっかり覚えておく必要があります。
その他の変更
その他の変更としては教科書にQRコードが掲載され、これまでより手軽に音声を聞くことができるようになります。
また全体の文章量も増え、英語を読む量を増やすことも意識されています。
話す聞く機会も多く設定されており、英語4技能(読む、書く、聞く、話す)を意識した内容になっています。
どのような準備が必要か
基本的には小学校で学習する英語をしっかり理解できていれば、中学校の英語に対応できないということはありません。
まずは小学校で学習する英語をしっかりと理解し、書ける、読める、話せる、聞き取れるようにしておくことが重要です。
特に小学校では、英単語をしっかりと書けるまで練習していない学校が多いようにみえます。
そのため英単語が書けるようにしておくだけでもかなり違ってきます。
中学校で英語に躓く一番はじめのポイントは、英単語をしっかり書けるかどうかです。
2020年度までの教科書でも、一番はじめの定期テストまでには約200語の英単語を学習します。
英単語が書けなければテストで点数が取れません。
しかも毎日の英語の授業で、新しい英単語をどんどん学習していきます。
はじめから覚えていないと、覚えるべき英単語はどんどん増えていき、気づけば膨大な量になっていきます。
小学校で英単語を書く機会が少なくても、しっかりと書けるように練習しておくことをおすすめします。
また英語は今回学校教育でも小学校3,4年生での英語学習が追加されたように、早めに準備をするほど楽になります。
高校卒業までに学ぶ文法も英単語の数も決まっています。
それを中高の6年間で学ぶのか、小学校を含めた12年間で学ぶのかの違いです。
早く始めるほど、1年間で学ぶ量は少なくて済みます。
また学校の授業より早く始めることで学習に余裕が生まれるため、学校の進度を気にして、勉強に追われることも少なくなります。
余裕があれば、楽しんだり、寄り道したりしながら学ぶことができます。
英語の歌に合わせて英単語を覚えるなどができるのも余裕があるからです。
中学生になって定期テスト前に、英語の歌に合わせて英単語を覚える余裕はありません。
学びは遊びから生まれます。
遊びは好奇心を育てます。
好奇心は学びの大きな原動力にあります。
余裕を持つことは、学びの好循環を生むためにとても効果的です。
1日5分でもOKです。
まずは少しずつでも楽しみながら英語に取り組むことをおすすめします。
子どもの英語力を伸ばすために最も効果的な方法
子どもの英語力を伸ばすために最も効果的な方法は、親子で英語を学ぶことです。
そうすることで英語が自然と家庭の中に取り込まれ、自然と英語に触れる機会が多くなり、英語力が伸びていきます。
幼児や低学年のお子様であれば、絵本や、テレビ番組を使った英語活動がおすすめです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
小学生低学年以上のお子様であれば、NHKラジオやNHKの英語番組もおすすめです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
NHKラジオは無料な上、英語レベルもまったくの初心者からビジネスで英語を使う方まで幅広い講座があります。
中学生向けの講座は学習指導要領の内容にも対応しています。
2021年4月にスタートする講座は新しい学習指導要領にも対応しています。
NHKラジオをうまく活用できれば、学校英語も、英検も、ビジネス英語も対応でき、英語ニュースも聞き取れるようになります。
最後に
英語は楽しみながら学習することができます。
今回の学習指導要領の改定内容で、学校英語は変わります。
何が変わるかを把握すれば、しっかりと対応ができます。
まずは正しい情報を理解して、早め早めに準備していくことをおすすめします。
皆様の参考になれば幸いです。
皆様のご意見、ご感想、またはおすすめの方法、取り組んで良かったことなども教えて下さい。
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