塾を運営していると生徒、保護者の方から読解力についてご相談を頂きます。
国語はセンスだから勉強しても意味がないですよね。
国語ができるためには読書しかない。
うちの子は本を読まないので国語が苦手なんです。
毎日新聞を読むようにしています。
などなど。
今回の記事では、読解力を身につける方法についてご紹介したいと思います。
この記事を読んでいただければ、読解力を身につける方法が分かって頂けるかもしれません。
本を読めば読解力は身につくのか
読解力はどの教科においても重要な能力です。
しかし読解力を身につけるにはどうしたらいいのかよく知られていないのではないでしょうか。
一般的には本を読む、文章を読むことで読解力は身に付くと考えられているように思います。
あながち間違いではないのですが、小説を読むのが大好きな生徒、本の虫といってもいいほど本を読むけれど国語の問題は解けないという生徒もたくさんいます。
これは「本を読むことで読解力は身につく場合もあれば、そうではない場合もある」と言うことを示しているのではないでしょうか。
文章を読むとは
読解力を身につける方法を説明する前に、文章を読むということについて考えたいと思います。
文章の読み方には2通りあります。
文字だけを読む
一つ目は、文字だけを読んでいる場合です。
「ねこがいぬをかんだ。」という文章をみて、その音だけを頭の中で読んでいる場合があります。
これは国語が苦手な生徒に多く、音読をしてもらうと文章の切れ目が、意味の切れ目になっていない場合、このケースに当てはまることが多いです。
たとえば「ねこがいぬをかんだ。」を「ねこ がいぬ をか んだ」と音読をする場合です。
極端な例かもしれませんが、このようなケースは小学生の場合に多く見られることがあります。
意味を捉えながら文章を読んでいないため、このような現象が起こります。
しかし文章に漢字が多くなるにつれ、音読の切れ目が分かりやすくなり、音読も意味の切れ目に合わせて自然と音読できるようになっていきます。
ただ根本の文字だけを読んでいるという問題は、そのまま残っていることが多いです。
そのため中学生以上ではこの問題が潜在化していき、問題が分かりにくくなっていくことがあります。
考えながら読む
二つ目は考えながら読んでいる場合です。
「ねこがいぬをかんだ。」という文章をみて、猫が犬を噛む場面を想像し、そんなことあるかなと想像ながら読むということです。
中学校や高校の英語の授業で、文章の一文一文を文法、単語、文の構造を確認し、前後の文つながりを説明された記憶があるのではないかと思います。
このように一文一文を分析しながら読むことを精読といいます。
日本語の文章でも同じように精読をすれば、文章を考えながら読んでいることにもなります。
つまり文章を考えて読むとは、一文一文はもちろん、文章ごとの関係(論理構造)を把握しながら読んでいくことです。
国語が苦手な子の特徴
国語の苦手な子の多くは文字の音だけを読んでいるケースがほとんどで、ひとつひとつの文章を考えながら読んでいないことが多いです。
わからない言葉をそのままにしたり、指示語を補わずそのまま読んだりしてしまいます。
そのため国語の問題を解くときに「Aくんはこのとき、どんな気持ちでしたか。」という設問があった場合に、文中からそれらしき言葉を、間違い探しのように探しまわることをしてしまいます。
それでは正解してもしなくても、解答方法に根拠がないため国語の問題が解けるようになりません。
国語の問題を解くこと
国語の問題を解くためには、本文の中から根拠を読み取り、答えを導きだすことが必要です。
国語の問題を解くことは、論理的に結論を導き出すことです。
そのためには、考えながら文章を読むことが大切です。
考えながら文章を読み、文章の背後にある論理構造を把握ことが大切です。
考えながら文章を読むことができれば、本を読んでいても、スマートフォンで記事を読んでいても、ゲームの攻略本を読んでいても読解力が身につきます。
文字だけを読むことをやめるためには
文字だけを読むことをやめるために効果的な方法は対話をすることです。
この方法は特に小学生で効果的な方法です。
問題文を読んで、設問の文章を読んで答えられない生徒でも、対話で質問をすると答えられることが多いです。
たとえば「Aくんは本屋さんに行った後どこに向かったかな?」「Aくんはこの時どんなことを感じていたかな?」など口頭で質問をします。
このように問題文や、設問の内容を文字レベルから、会話レベルに変えます。
そうすると文字だけを読んでいる生徒でも、対話の中で問題文や、設問の内容を考え、答えを導き出すようになります。
この対話レベルで問題を解く経験をしていくことで、徐々に文章レベルでも問題を解くことができるようになります。
そして対話レベルでしたことを、文章レベルで自分の頭の中でするということを明示的に伝えていきます。
そうすれば考えながら文章を読むということを徐々にできるようになります。
中学生以上であれば、先に明示的に文章を読む、国語の問題の考え方を伝えるだけでもできるようになる生徒が多くなります。
考えながら読む方法
考えながら読めているかどうかを判断するためには、文章を読んで内容を説明できるか、文章の内容を行動できるかを見ることで分かります。
国語以外の勉強の中でも読解力は身に付けられます。
答えの解説を読んで問題が解けるようになる。
教科書や参考書などを読んで、解き方が理解できるようになる。
文章を読んで何かができるようになることで読解力は身についていきます。
特に中学生以上には、人に教えてもらうだけでなく参考書や解答解説をみて理解できるようになる、問題が解けるようになることが重要です。
そうすることで高校入試、大学入試にも対応できる、高度な読解力と自学自習力も備わってきます。
予習がおすすめ
読解力を身につけるという観点でみても、学校の予習を自分ですることはとてもおすすめです。
予習は未知のものを理解し、できるようになることでもあります。
それを教科書や参考書、解答の解説を読んでできるようになれば、読解力も劇的に向上していきます。
さらに予習には、勉強効率を上げる、勉強計画が立てやすくなる、モチベーションの維持がしやすいなど様々なメリットがあります。
詳しくはこちらの記事で詳しく解説しています。
近年は有名予備校講師の映像授業なども、気軽に自宅で見ることができるようになってきていますが、読解力を身につけることを考えた場合には、文章を読んで予習をすることをおすすめします。
予習をするときの方法などについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ゲームの攻略本もおすすめ
ゲームの攻略本でも読解力を高めることが可能です。
最近はゲームの攻略を動画で検索することも多いとよく保護者や生徒から聞きます。
あえてゲームの攻略本を購入し、攻略本を見ながらゲームをする。
攻略本を読んでできなかったら、もう一度攻略本を見てチャレンジしてみる。
この繰り返しが読解力を育て、さらには参考書や解答解説をみて問題を解くという勉強方法を身に着けることもできます。
ゲームも使い方によっては、勉強にもとても効果的なものになります。
またゲームやスマートフォンなどに興味を持つことは、避けて通れないものだと思います。
臭い物に蓋をする方法では、ゲームやスマートフォンによって起こる問題を解決することはできません。
ゲームやスマートフォンを積極的に活用することも、うまく付き合っていくために効果的なアプローチのひとつだと思います。
中学生以上になると環境や友達の影響力が強くなり、自我も強くなってくるため、親の影響力も小さくなっていきます。
まだ親の影響力がある小学生のうちに、ゲームやスマートフォンとの付き合い方、勉強への考え方などを伝え、親の考え方を共有しておくことも大切だと思います。
最後に
読解力は本を読み方で身につく場合もあれば、そうでない場合もあります。
読解力を鍛えることができれば、どの教科の成績が上がることはもちろん、本を読んで学ぶこともできるようになります。
本を読んで学ぶことができるようになれば、自分で自分の能力を高める、育てることもできるようになります。
自分を自分で育てることができるようになれば、自分の思い描いた人生を歩む可能性が高くなります。
勉強をすることは、自分を育てる方法を学ぶ効果的な方法のひとつだと思います。
皆様の参考になれば幸いです。
皆さまのご意見、ご感想、またはおすすめの方法、取り組んで良かったことなども教えて下さい。
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