塾を運営していると生徒、保護者の方からよく高校でのコース選択についてご相談を頂きます。
進路、志望校ってどうやって決めたらいいのでしょうか。
もうすぐ高校でコース選択があるのですが、どの教科がおすすめですか。
理系、文系どちらの方が有利ですか。
私立大学に絞って教科数を減らした方が効率もいいですよね。
などなど。
今回の記事では、高校のコース選択、理系、文系、国公立、私立専願などを考える時に大切なことをご紹介したいと思います。
この記事を読んでいただければ、自分に合ったコースを決めることができるかもしれません。
高校でのコース選択
多くの高校では1年生の後半から2年生にかけ志望大学に合わせてコース選択を行い、理系か文系を選択します。
学校によってはさらに国立志望か私立志望かの選択も行います。
このコース選択の仕方によって大学選びは大きく変わります。
一般的に難易度、教科数が多い順に考えると、国立理系>国立文系>私立理系>私立文系になります。
それぞれのセンター試験での受験科目数は、国立大学では5教科7科目で、理系では理科2教科、社会1教科、文系では理科1教科、社会2教科を受験します。
私立大学では3教科もしくは2教科が多く、偏差値が高い大学ほど科目数が増え、多い学部では4科目以上の受験や反対に1教科での受験もあります。
コース選択において一番の理想は明確な目標や行きたい大学があり、それに合わせてコース選択をすることです。
進路、志望校の決め方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
しかし、現実は消去法でコースを選択することが多いのではないでしょうか。
例えば「数学が苦手だから、文系にする」などです。
このように消去法で考えていくことで高校3年生のときには、はじめは理系だったけど、国立志望だったけど、結局私立文系を志望することになるケースがとても多いように思います。
教科数を減らすと競争率が高くなる
大学受験は高校受験と異なり、倍率がとても高くなります。
そして人気の大学や人気の学部は倍率が高くなり、科目数が少なくなるほど倍率は高くなります。
つまり私立文系で、科目数が少なく、更に人気の大学、学部の倍率はとても高くなります。
そして倍率が高くなると、難易度も高くなります。
1科目減ると、およそ1ランク上の大学と同じレベルといっても大げさな表現ではありません。
受験科目を減らしていくことで勉強する科目が減り、大学受験が楽になるように思えますが、倍率も上がるため結果的に勉強が大変になり、志望校を落さなければならないケースもあります。
そのためコース選択を考えるときに、倍率が高いか低いか、つまりライバルが多いか少ないかで考えることも重要です。
人が選択しないような選択をすることで、倍率は下がりライバルは少なくなります。
そうすることで結果的にいい大学に行くチャンスが多くなることもあります。
例えば偏差値が国語65、英語60、社会50であった場合に、英語は高い偏差値がとれないからと言って国語、英語だけで受験するよりも、社会を含めた国語、英語、社会で受験した方が、レベルの高い大学に進学できる可能性が高くなるケースもあります。
一般に偏差値が60の大学なら、受験科目が全て偏差値60以上なければいけないと思われているように思います。
しかし実際は全てが偏差値60以上である必要はないケースも多いです。
得意教科で得点し、不得意教科はそれなりに得点できれば合格することも可能です。
不得意教科だからと言って教科数を減らす方が、合格の可能性を低くすることもあります。
語学、情報、簿記は強みになる
極端な例かもしれませんが、センター試験では外国語として英語以外にドイツ語、フランス語、中国語、韓国語が選択できます。
そして英語以外の外国語の試験レベルは英語に比べると、一般的にやさしいものが多いです。
数学系科目では情報や簿記などでも受験も可能です。
情報や簿記の資格を持っている方であれば、数学Ⅰ・A、Ⅱ・Bよりも点数は取りやすいのではないでしょうか。
ただし志望大学が英語以外の教科での受験が可能であることが前提です。
また日本国内で医学部に行こうと思えば、最低でも偏差値65以上は必要です。
しかし海外の大学に目を向ければ、偏差値60を切っていても医学部に行く方法があります。
語学力があれば、海外への大学進学という選択肢もでてきます。
もし海外の大学に進学すれば語学力はもちろん、海外での経験も自分の強みになります。
また海外に行けば、日本人であることも強みになる場合もあります。
更にドイツ語やフランス語、または中国語を習得することができれば、英語圏でないヨーロッパやアジアの大学の進学も可能になります。
一般的に英語圏の大学は世界的にも需要が高いため、学力的にも金銭的にもハードルが高い傾向になります。
しかし英語圏でない大学は世界的な需要が英語圏の大学に比べて低くなりやすいため、世界的に評価されている大学であっても、日本の大学に進学するよりも学力的、金銭的にもハードルが低いことが多いです。
国によっては日本人であっても学費や寮生活の費用が無料であったり、割安の大学もあり、結果的に日本の私大に進学するよりも金銭的に負担が少ないケースもあります。
付加価値、希少性を高める
大学受験においても、人と違ったものがあればそれが強みになります。
文系なのに数学ができる。
理系なのに英語が得意。
または英語以外の外国語ができる。
プログラミングができる。
そしてこれは就職活動や社会人になってもアドバンテージになっていきます。
強みはひとつまたひとつと増えていくことで、自分の付加価値、希少性をどんどん上げてくれます。
いまでは英語がペラペラだけでは、大きな強みにはなりにくくなっています。
強みがひとつだけではその強みを極めていくしか自分の付加価値、希少性を高める方法はありません。
しかし英語のレベルが中の上であっても、ドイツ語も話せて、プログラミングもできたとすれば自分の付加価値、希少性は高まります。
それは英語のレベルがとても高い場合と比べても、付加価値、希少性は高くなるのではないでしょうか。
自分の個性×英語×第二外国語×プログラミング×特技×好きなこと×・・・
強みは複数あることで爆発的に自分の付加価値、希少性を高めてくれる可能性があります。
付加価値、希少性を高める方法
付加価値、希少性を高めるためには、自分の興味の幅を広げ、知識を深めていくことが重要です。
そのためには時間的にも、精神的にも余裕が必要になってきます。
特に中、高生の場合、学校の勉強に追われていては時間的、精神的に余裕を持つことは難しくなります。
時間的、精神的に余裕を持つためには、学校の授業の予習をすることが重要です。
予習の進め方については、こちらの記事で詳しく説明しています。
「今でしょ。」の林先生が以前テレビでおっしゃっていたのですが、林先生は高校1年生の時に、数学と英語は大学入試レベルまですべてできるようにしたそうです。
そのため余裕ができたのでラグビー部に入部したそうです。
そして3年生の8月には大学受験勉強は終え、東京大学に入学されています。
林先生は東海中学校・高校と全国屈指の進学校出身で極端な例ではありますが、学べることは大いにあると思います。
中学、高校の時に勉強に余裕があったため、勉強以外のことにも十分に力を入れることができ、自分の興味を広げ、現在のご活躍につながったのではないかと思います。
中学、高校では勉強の比重が大きく、勉強に振り回されやすいです。
予習を進めていくことは、勉強に振り回されなくなるためのひとつの方法です。
子どもの興味の幅を広げ、勉強に主体的に取り組む方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
最後に
当たり前のことですが、高校のコース選択は進路、志望校に直結する大きな選択です。
その選択の際に得意、不得意だけでなく、自分の付加価値、希少性という観点でも考えてみてはいかがでしょうか。
「不得意=受験科目に使えない」というわけではありません。
みんなと同じ考え方、同じ選択をすることは競争率を上げ、結果的に自分を追い詰める可能性もあります。
また日本の受験は、国公立大学の医学部を先頭に、明確な学力のヒエラルキーがあります。
その受験の中で真っ向から戦い抜くために、中学受験、小学校受験、さらには幼稚園受験まで受験が広がってきています。
しかしみんなと違う考え方、違う選択をすることは、自分の付加価値、希少性を高める可能性があります。
語学やプログラミングなどは、この受験を真っ向から突き進むのではない抜け道のようなものを与えてくれる可能性があると思います。
皆様の参考になれば幸いです。
皆様のご意見、ご感想、またはおすすめの方法、取り組んで良かったことなども教えて下さい。
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