「ブログ VS YouTube」
このような意味合いの言葉が、昨今よく耳にするようになりました。
先日アメリッシュ (id:funyada)さんも、同様の話題を記事に取り上げていらっしゃいました。
とても考えさせられる内容で、興味深く拝読させていただきました。
アメリッシュさん、ありがとうございます。
私は塾を運営しており、教育業界でもYouTubeなどの台頭が話題になることがあります。
この記事では、教育業界におけるYouTubeなどの影響と、今後の教育についてご紹介したいと思います。
実際の教育現場で感じること
生徒や保護者からも、YouTubeの動画を見て勉強しているという話をよく聞くようになりました。
分からない問題をYouTubeで調べ、動画で内容を理解するために使用していることが増えてきています。
また、ベネッセのスタディサプリなど映像授業のサブスクリプションサービスも増え、大手予備校の映像授業など月数万円かかった映像授業も、数千円もかからずに見放題になってきています。
一般に購入できる書籍でも、掲載されているコードにスマートフォンをかざせば、その場で動画の解説が見ることができたり、英語のリスニングが聞くことができたりするものも多数販売されています。
また、進研ゼミやスマイルゼミなど、タブレットを活用した教育も増えており、毎月のように、私の塾にもこういった映像授業や学習アプリの案内がきます。
予備校、学習塾、英会話教室、通信教育など教育コンテンツにも映像、タブレットの影響は凄まじいものがあります。
ブログかYouTubeか。
教育業界では、授業か映像か。
さらには参考書か映像か。
文章による情報 VS 映像による情報
このような話題が、教育業界でも盛んに取り上げられるようになりました。
文章 VS 映像
これらの話題は、個人的には二者択一の問題ではないと思っています。
「仕事と私のどっちが大切なの?」
「睡眠と食事はどっちが体にいいの?」
と同じと思っています。
もともとそれぞれの項目・カテゴリーが違うものについて比べているので、質問自体が質問として成り立っていないように思います。
ただ、話題としては面白く、大いに興味があることではあるので、こういった話題についての記事を観ることは楽しいです。
ブログにしても、YouTubeにしても、それぞれのメリット、デメリットがありどのようにそれを活用するかの問題だと思います。
勉強においても、映像授業、タブレット、参考書それぞれのメリット、デメリットがあり、うまく活用することが大切だと思います。
既存サービスの危機
これらの映像授業、タブレットなどのサービスが充実していく中で、既存の教育サービスは淘汰されつつあります。
大手予備校の校舎閉鎖の話題もよく耳にします。
特に集団授業は、映像授業に取って代わられてきているように思います。
カリスマ講師の授業が、月数千円で、いつでも、どこでも見ることができるのです。
その利点は明白です。
塾に通う移動時間なども考えれば、時間的、費用的にも圧倒的に優れており、しかも動画であればわかっている内容は、飛ばして自分に必要なところだけを見ることができます。
このように教育においても良質なコンテンツが手軽に、安価で手に入る環境になってきています。
それにともない今後、教育サービスに求められる要素も変化し、多様化していくように感じています。
サービスの充実によって生まれる課題
サービスが充実することで、新たな課題が生まれてきていると思います。
それは、情報リテラシーの差による教育格差の拡大です。
世界中どこにいても、良質なサービスが手に入るようになれば、情報リテラシーの高い方は、どんどん情報を吸収し成長の速度が加速されていきます。
それに伴い、情報を活用できない方との差は、どんどん広がっていきます。
教育業界にいて切に感じることのひとつは、生徒によって情報の吸収力が違うということです。
同じ授業を受けても、同じ動画を見ても、同じ参考書を読んでも、同じだけ勉強しても、成長の度合いは驚くほど違います。
残酷な事実ではありますが、科学技術が発達し、社会が成熟すればするほど教育格差はどんどん拡大していくのではないでしょうか。
今後の教育サービスに求められるもの
今後教育サービスに求められるものは、教育のコンシェルジュとしての役割だと思います。
膨大なサービスの中でどれが自分に合うのか。
ずぐれたサービスをどう活用するのか。
自分に合ったサービスはどれか。
継続するためのサポート。
などなど。
旅のコンシュルジュが、自分だけのオーダーメイドの旅を提案してくれるように。
ライザップが自分だけのダイエットプログラムを作成し、継続のサポートをしてくれるように。
膨大な情報、知識の中から、ひとりひとりにあった最適なプログラムを作り、継続できるようにサポートしていくことが重要だと思います。
そして、教育格差をなくしていくことも、教育サービスに求められることだと思います。
サービスを受けるときに気を付けたいこと
予備校、学習塾、通信教育、映像授業、タブレット、参考書、問題集など、どのサービスをとっても良質なものが多くなってきています。
正直、どのサービスを選んでも外れを引くことの方が少ないように思います。
そのため、自分に合った、自分の子どもに合ったサービスを選ぶことがより重要になっていると感じます。
いくら良いサービスでも、自分や子どもに合ったサービスでなければ、効果はでません。
自分や子どもに合ったサービスは、現在の状況と、目標とする状況のギャップを効果的に埋めてくれるものです。
サービス内容を知ることも重要ですが、それ以上に現在の状況と、目標とする状況を把握することが大切だと思います。
ミスマッチが、サービスを受けたときに効果の出ない要因のひとつだと思います。
最後に
教育の目的のひとつは「自ら学び、自分で自分を成長していけるようになること」を促すことだと思います。
そのため、教えることは、教育のひとつの方法に過ぎないと思います。
教育サービスにとってはもちろんですが、学校教育にとっても求められる役割が変わってきており、変革が求められてきているように思います。
そして、サービスを利用する側にとっても、情報リテラシーが求められるようになってきています。
これは教育だけに言えることではありませんが、必要な情報をうまく集め、処理し、活用する能力が必要になってきていると感じます。
そのためにも、前提として、現在の状況、目標とする状況を把握することが大切だと思います。
皆様の参考になれば幸いです。
皆様のご意見、ご感想、またはおすすめの方法、取り組んで良かったことなども教えて下さい。
お気軽にコメントして頂ければと思います。
こちらの記事も参考になるかもしれません。
合わせてご覧ください。