塾を運営していると保護者の方から、幼児用のプリント学習教材ついてご相談を頂くことがあります。
幼児から勉強に取り組んだ方がいいですか。
やっぱり公文がおすすめですか。
こどもちゃれんじやZ会、ポピーなどの通信はどうですか。
などなど。
この記事では、幼児におすすめのプリント学習教材と、その活用方法をご紹介します。
今回ご紹介する方法は、長年塾を運営しながら独自教材を作成した経験と、我が子にプリント学習教材を実際にやった経験をもとにしています。
この記事を読んで頂ければ、幼児におすすめのプリント学習教材とその活用方法が分かって頂けるかもしれません。
幼児から勉強に取り組むべき?
幼児期から勉強に取り組むべきかどうかは、賛否両論あると思います。
子どもに勉強で苦労をさせたくない、勉強を主体的に取り組んでほしいと思われるなら、幼児から勉強に取り組むべきだと思っています。
むしろ赤ちゃんの時から取り組むべきだと思っています。
勉強は早期に取り組むほど効果があります。
幼児期に勉強を取り組む一番の目的は、能力を高めることです。
幼児期にひらがなが読める、書ける、数が分かる、足し算ができるなどは素晴らしいことだと思いますが、それ以上に大切なのは、そのひらがなが読める、書ける、数が分かる、足し算ができる能力を早期に身に付けることです。
たとえば、3歳の時に10分で10個の言葉を覚える力を、20個覚えられる力に高められたとします。
その後、15年間で10分に10個記憶できる場合と、20個記憶できる場合を比較すれば、15年間で記憶できる量は圧倒的に変わっていきます。
お金が複利の力で大きくなっていくのと同じイメージです。
もとからある金額が多いほど、10年20年先の金額はどんどん大きくなります。
それと同じように、幼児期の能力が高いほど、10年20年先に身についている力はどんどん大きくなります。
教育の効果は子どもの年齢が低ければ低いほど、その効果は高くなります。
このことは「学力の経済学」という本でもご紹介されています。
そのため、足し算ができるなど「表面的な〇〇ができること」は、それほど重要ではありません。
幼児期に勉強を始めるとどうしても「表面的な〇〇ができること」に、注力してしまいがちです。
そうすると、〇〇ちゃんはもうひらがなが書けるのに、〇〇くんは九九が言えるなど、他の子と比べがちになります。
そうすると親が焦ってしまい、子どもに勉強を無理強いしてしまう場合があります。
幼児期の勉強は、遊びの延長です。
プリント学習教材などを使って子どもと遊ぶことです。
まずは、子どもが楽しんでやることがもっとも重要なことです。
それが、主体的に勉強に取り組むことに繋がります。
遊びながら勉強をすることで、子どもの能力は身についてきます。
どんな種類があるの?
公文式
プリント学習教材といえば、まずは公文式が一番初めにイメージされるのではないでしょうか。
公文式の一番の利点は、プリントの量が豊富なことです。
簡単な問題をたくさん学習することで、能力は伸びやすくなります。
公文式は、内容がかなり細かく分けられており、簡単な問題をたくさん学習することができます。
しかも、赤ちゃんからでも受講できるカリキュラムがあります。
幼児用のプリント学習教材としては、やはり公文式がおすすめです。
ただ、費用は安くなく、先生の指導力にも差があり、宿題の量のコントロールが必要な点がネックです。
家庭での取り組みではありませんが、費用を気にされず、指導力のある先生がいる教室に通うことは良い選択だと思います。
実は公文式は教室に通う以外にも、通信で受講することも可能です。
この方法であれば、ご家庭でも公文式のプリント学習教材を活用することができます。
ただし、費用は教室に通うよりも割高です。
七田式
公文と同じように赤ちゃんからカリキュラムがあります。
最大の特徴は、カードを使った学習です。
一時期14歳で名門大学に入学された大川翔君が、幼児期に七田式プリントを学習していたことで話題になりました。
大川翔君の詳細については「ザ・ギフティッド」をお読みください。
七田式のカードを使った学習は、記憶力のトレーニングにとても効果的です。
ただ、プリント教材については、対象となる幼児の幅が狭いように思います。
お子さまにもよりますが2,3歳には難しく、またプリントの構成として難しくなっていくのが早いです。
2,3歳から始める場合にはプリントの枚数も少ないので、毎日学習すると、どんどん難しくなっていきます。
塾を運営するなかで様々な教材を見てきましたが、正直とても使い方が難しい教材だと思います。
ある程度教材についての知識と経験がいる教材だと思いました。
また、教材の価格が高いものが多く、費用対効果でみると、あえて七田式のプリントである必要はないように思います。
こどもちゃれんじ(ベネッセ)
公文式、七田式と同じように、赤ちゃんからカリキュラムがあります。
最大の特徴は、おもちゃで遊びながら勉強ができる点です。
その反面、毎月送られてくるおもちゃの量が多いため、そこが良い点でもありながら、悪い点でもあります。
学習内容は簡単なものが多く、必要最低限の能力を身につけることはできます。
一番遊びの延長で学習がしやすい教材だと思います。
毎月教材が送られてくるので、教材をどんどんやってしまい、進みすぎるということはありません。
ただし、量はあまり多くないので、お子さまによっては1日で終わってしまう場合もあります。
Z会
2歳から受講できるカリキュラムがあります。
最大の特徴は、ベネッセのようにおもちゃが送られてくることもなく、鉛筆を使った勉強が一番多い教材ことです。
通信添削があります。
毎月教材が送られてくるので、教材をどんどんやってしまい、進みすぎるということはありません。
ただし、量はあまり多くないので、お子さまによっては1日で終わってしまう場合もあります。
教材のレベルは他の通信教材よりも、すこし高いです。
ポピー
2歳から受講できるカリキュラムがあります。
最大の特徴は、ベネッセのようにおもちゃが送られてくることもなく、Z会の様に通信添削もなく、シールを使った勉強が多い点です。
毎月教材が送られてくるので、教材をどんどんやってしまい、進みすぎるということはありません。
ただし、量はあまり多くないので、お子さまによっては1日で終わってしまう場合もあります。
教材のレベルはZ会よりも易しく、ベネッセと同じくらいです。
がんばる舎
2歳から受講できるカリキュラムがあります。
最大の特徴は、余計なものは何もなく、シンプルなプリント学習教材のみです。
そのため費用も月800円と安いです。
毎月教材を送ってもらうことも可能ですが、まとめて1年分送ってもらうこともできます。
量も十分あり、簡単なものをたくさん学習できます。
ただし、プリントは白黒です。
お子さまによっては、興味を持ちにくい場合があります。
教材のレベルはZ会よりも易しく、ベネッセ、ポピーと同じくらいです。
おすすめのプリント学習教材
ご家庭で取り組む場合、一番のおすすめは「がんばる舎」+公文式、七田式以外の通信教材です。
ベネッセ、Z会、ポピーはどれもしっかりと教材が作られているので、どれを学習しても、はずれはありません。
お子さまがやりやすいものを選ばれるのが一番です。
また、毎月送られてくるので、学習レベルの目安にもなります。
よくできるお子さまであれば、一つ上の学年の教材を使用するのもひとつの方法です。
ただし、この3つの教材はどれも、量が少ないことがデメリットです。
それをカバーするために、「がんばる舎」を並行して受講することをおすすめします。
「がんばる舎」のプリントは、毎日1~2枚ずつ学習していくことをおすすめします。
本人がもっとやりたい場合は、その日だけ枚数を多くしたり、継続的に枚数を多くしてもOKです。
また、「がんばる舎」が白黒のプリントでお子さまがあまりやってくれない場合は、市販のプリント教材を1~2枚やったあとにすると、取り組んでくれる確率が上がります。
市販の教材でおすすめなのは、公文式ドリルや、キャラクターのドリルです。
これらのプリントでお子様に興味を持ってもらい、「がんばる舎」や他の教材へ繋げていくことをおすすめします。
カードを使った学習もおすすめ
また、プリント学習教材と並行して、カードを使った学習をすることもおすすめです。
おすすめのカードは、七田式と公文式です。
カードを使った学習方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
幼児期の目標
幼児期の勉強の目的は、能力を高めることです。
遊びの延長として、勉強に取り組むことがもっとも大切なことです。
その上で目標として設定するならば、小学校に入学するまでに小学1年生で学習する内容をある程度しておくことです。
小学1年生の内容は、ひらがな、カタカナ、足し算、引き算が主な内容です。
詳細な内容については、こちらの記事で詳しく説明しています。
また、習慣としては、
①読書習慣
②お手伝い習慣
③テレビを見すぎない習慣
を3歳を目安に身に付けておくことも大切です。
この3つの習慣を身に付けておくことで、プリント学習教材をすることはもちろん、勉強を主体的に取り組むことに繋がっていきます。
3歳までに身に付けたい習慣については、こちらの記事で詳しく説明しています。
最後に
学ぶことは、本来遊びの延長だと思います。
知りたい、できるようになりたいという気持ちが勉強への原動力になります。
幼少期は、子どもの好奇心を育て、その好奇心の中に勉強の内容を組み込んでいくことができます。
そして、学校よりも早いペースで、家庭で勉強に取り組むことができれば、学校の勉強に余裕が生まれてきます。
余裕があるからこそ、考える余裕も生まれ、興味も育ちやすくなります。
勉強は、良い学校に行くための手段ではありますが、好奇心を刺激し、興味を広げる手段でもあります。
幼少期は学校での勉強がない分、お子様の好奇心、興味、ペースに合わせて勉強をしやすい時期です。
この時期に、好奇心を刺激し、興味を広げることは、お子様のこれからの人生の可能性を大きく広げることにつながってくると思います。
皆様の参考になれば幸いです。
皆様のご意見、ご感想、またはおすすめの方法、取り組んで良かったことなども教えて下さい。
お気軽にコメントして頂ければと思います。
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