塾を運営していると生徒、保護者の方からよくご相談を頂きます。
最近はご家庭で学校の予習をしたいとお考えの方も以前より増えてきており、予習の仕方について聞かれることも多くなってきました。
しかし、予習は難しいと思っていらっしゃる方が多く、学校で習っていないことをどうやって勉強していけばいいのか分からないという方が多いです。
ご家庭で予習をすることは、やり方を知っていればそんなに難しいことではありません。
私が運営している塾は、予習を得意としています。
中学校の予習をやっている公立小学生。
高校の予習をやっている公立中学生。
がたくさんいます。
塾では学校の授業のような集団授業ではありません。
個別指導で予習をしています。
そのノウハウを詰め込んだ、ご家庭で出来る予習の仕方をご紹介したいと思います。
小学生、中学生、高校生、それぞれの場合についてもご紹介したいと思います。
この記事を読んでいただければ、
予習は難しくはない。
特別なことではない。
ということがお分かりいただけると思います。
予習の仕方
どの教科を予習すべきか
数学と英語の予習を進めることをおすすめします。
その理由は数学と英語は5教科の中でも、学校や入試で点を取るためには学習量が必要です。
それは、これまで学習した内容が理解できている上に、新しい内容の理解が必要だからです。
社会や理科のように、前回の単元ができなくても、今回の単元を頑張って勉強すれば点数が上がるということが難しいです。
そのため、数学と英語は予習をしておくことで、安定して点数を取れるようになります。
また、数学、英語を先に予習しておくことで、各単元の全体像や、今やっている範囲が、どのように今度使われるのかがわかるので、理解がしやすくなります。
どのレベルまでやるの
予習は基本・標準レベルまで理解できていればOKです。
教科書で言えば、章末問題以外の内容を理解できればOKです。
予習の目的のひとつは、先に予習をしておくことで、各単元の全体像を理解することです。
また、基礎・標準がしっかり理解できていれば、応用問題の理解はしやすくなります。
学校の授業が追い付いてきたタイミングや、テスト勉強、入試対策をし始める段階で、応用問題に取り組む方が効率的です。
使用する教材は
小学生、中学生は学校の教科書を使うことをおすすめします。
今の教科書は依然と比べ格段に丁寧に作られており、理解しやすくなっています。
また、学校でもう一度教科書を使うので、自分の理解が曖昧だったり、間違えて理解しているとことがあった場合にも修正しやすいです。
高校生は参考書を使うことをおすすめします。
中学生で高校生の予習をする場合も参考書を使用しましょう。
高校生では参考書自体を学校で使うことが多く、大学受験を見据えた場合に教科書よりも参考書を使う方が効率的です。
使用教材の詳細については、小学生、中学生、高校生ごとに後ほど詳しくご説明します。
予習のメリット
予習の一番大きなメリットは余裕が生まれることです。
余裕が生まれれば、寄り道する余裕が生まれます。
寄り道する余裕は勉強への興味を広げます。
勉強への興味が広がれば、勉強がどんどん好きになります。
反対に余裕がなければ興味は湧きにくいです。
例えば、テスト前に学校の課題が山積みの状況で、課題の中身に興味が湧くでしょうか。
やりきることが優先され、興味どころではありません。
身に付く力
予習で身につく一番の力は読解力です。
教科書を読んで自分で新しいことを学んでいく。
これができれば、高校入試、大学入試で求められる以上読解力を身に付けることができます。
予習は読解力を身につけるもっとも良い方法のひとつです。
予習をするためには、本を読むだけではなく、その内容を理解する必要があります。
更に問題を解くためには、理解した内容を実践し、できるようになる必要があります。
予習で問題が解けるためには、「読む→理解する→実践する→問題が解ける」のプロセスが必要です。
これを文章を読んでできるためには読解力がどうしても必要になるため、自然と文章を読む力が身についてきます。
予習のメリットや身に付く力についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
小学生の場合
同学年の内容の予習
算数は学校の教科書を進めていきましょう。
問題がなければ学校のドリルも同時に進めていきましょう。
もし、学校から先に進めてはいけないという指示がある場合は、下記のような市販のドリルでもOKです。
おすすめのドリルはくもん出版のものです。
学年ごとに計算、図形、文章題の3つの内容のドリルがあり使いやすいです。
英語については、中学校を見据えて勉強される場合は英検を取っていかれることをおすすめします。
小学校での英語学習は学校の授業が子どもの学習進度の目安にならないため、英検を学習進度の目安として使うと予習がしやすくなります。
詳細な勉強方法はこちらの記事でご説明しています。
1学年以上先の予習
算数の場合、1学年以上先の予習をする場合は、教科書がないためできないと思われるかもしれませんが、教科書は一般の方でも購入可能です。
学校から無償でもらえるため購入するのはもったいないかもしれませんが、予習には最適なので教科書の購入をおすすめします。
下記サイトより全国の都道府県で教科書が購入できる場所をご確認できます。
英語の場合は、同学年の内容の予習で記載した内容と同じように進めていきましょう。
中学生の場合
同学年の内容の予習
数学は学校の教科書を進めていきましょう。
問題がなければ学校の問題集も同時に進めていきましょう。
もし、学校から先に進めてはいけないという指示がある場合は、下記のような市販の問題集でもOKです。
おすすめの問題集はくもん出版のものです。
学年ごとに計算、関数、図形の3つの内容が2冊に分けて出版されています。
英語の場合も、教科書を使って、本文の和訳、英訳、音読をしましょう。
教科書ガイドがあると和訳がしやすくなると思います。
問題がなければ学校の問題集も同時に進めていきましょう。
もし、学校から先に進めてはいけないという指示がある場合は、下記のような市販の問題集でもOKです。
おすすめの問題集はくもん出版のものです。
英語は特にこれがおすすめです。
通常の問題集は、be動詞の問題はbe動詞だけ、一般動詞の問題は一般動詞だけの場合が多いですが、この問題集は一般動詞の問題の中にbe動詞の問題が出てくるなど、他の単元で習ったことが出題されます。
そのため、英語文法の運用能力が身に付きやすいです。
同シリーズで単語と、長文読解の練習ができる問題集もあります。
学校の教科書の和訳、英作、音読がやりにくい場合はこちらのテキストを使うのもおすすめです。
1学年以上先の予習
小学生同様に教科書を購入して進めていきましょう。
下記サイトより全国の都道府県で教科書が購入できる場所をご確認できます。
高校生の場合
数学は白チャートの使用をおすすめします。
チャート式の中では一番やさしいテキストです。
やさしいといっても教科書の内容は網羅してあり、白チャートの内容が完全に理解できればセンターも8割以上を狙うことも可能です。
高校数学はチャートシリーズをしっかりやっておけば、一部の最難関大学を除き十分に対応できます。
白チャートは基本から丁寧に記載してあり、より難しい黄、青、赤チャートよりも解説も丁寧です。
そのため、自分で進めていくのに最適です。
また各色のチャートは、例題や基本問題は同じ内容になっています。
そのため白チャートの内容はすべて、黄チャートに載っています。
白チャートを十分に学習した後なら、他のチャートに挑戦しやすくなります。
志望大学のレベルまで徐々にチャートのレベルを上げていくことをおすすめします。
チャート式については、こちらの記事で詳しく説明しています。
英語の場合は文法学習にはフォレストシリーズがおすすめです。

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フォレストシリーズは高校の文法書の中では比較的やさしい部類になると思いますが、この3冊をしっかりやれば、高校で習う文法はマスターできます。
※フォレストシリーズは現在絶版になっています。
同じレベルの文法書としてエバーグリーンが出版されています。
エバーグリーンに準拠した問題集も出版されています。

文法の基礎力を身につけるトレーニング (「総合英語Evergreen」完全準拠文法問題集)
- 作者:川崎 芳人 / 久保田 廣美 / 高田 有現 / 高橋 克美 / 土屋 満明 / Guy Fisher / 山田 光
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フォレストシリーズと合わせて、速読英単語シリーズにも取り組みましょう。
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まずは、入門編から始めて徐々にレベルを上げていきましょう。
「速読英単語」シリーズの特徴は、長文を読んで単語を覚えることに焦点が当てられています。
そのため、この1冊で、単語暗記と長文読解の練習ができ、さらに別売のCDを使えばリスニングの練習までできる優れものです。
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速読英単語 必修編CD[改訂第7版対応] (Z会文章の中で覚える大学受験英単語シリーズ)
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この速読英単語シリーズを繰り返し読んで、聞いて、本文をまるまる覚えるつもりで繰り返し練習すれば、大学入試に十分な、語彙力、長文読解力、リスニング力が身に付きます。
速読英単語については、こちらの記事で詳しく説明しています。
やっぱり教えてもらいたい
でもやっぱり教えてもらわないと難しいと思われる方は、動画を見るのもひとつの方法です。
小学生、中学生におすすめの動画は「eboard」です。
なんと登録をすれば無料で使えます。
小学校算数、中学校5教科、一部高校の内容にも対応しています。
「今でしょ。」の林先生のような授業とまではいきませんが、かなりわかりやすい動画です。
動画に対応した問題練習もできます。
高校生におすすめは「学びエイド」です。
すべてのサービスを使用する場合は有料会員になる必要がありますが、無料でもある艇ど使用できます。
有料会員になれば全国の有名講師の授業が見放題になります。
現代文の出口先生など、多数の参考書を出版している講師の方も多く、ほとんどが大手予備校の先生です。
学びエイドの特徴は、ひとつの動画が約5分までと短いことです。
yahooやgoogleのように動画検索ができることです。
例えば「二次関数 絶対値」と入力し、検索をすると、それに該当する動画が表示されます。
そのため、自分がわからないところの動画をピンポイントで見ることができます。
他の動画見放題サービスのように、特定の講座を始めから受けていくこともできます。
youtubeなどでも同様の使い方もできますが、講義の質は高く、なにより勉強以外の動画が表示されないので、勉強の邪魔になりません。
尚、「学びエイド」で中学校の内容も見ることができますが、中学校の場合は「eboard」で十分だと思います。
ただし、動画で視聴して予習を進める場合、読解力はあまり身に付きません。
動画はあくまで、辞書のように困ったときだけ使うことをおすすめします。
最後に
「今でしょ。」の林先生が以前テレビでおっしゃっていたのですが、林先生は高校1年生の時に、数学と英語は大学入試レベルまですべてできるようにしたそうです。
そのため、余裕ができたのでラグビー部に入部したそうです。
そして、3年生の8月には大学受験勉強は終え、東京大学に入学されています。
林先生は東海中学校・高校と全国屈指の進学校出身で極端な例ではありますが、学べることは大いにあると思います。
中学、高校の時に勉強に余裕があったため、勉強以外のことにも十分に力を入れることができ、自分の興味を広げ、現在のご活躍につながったのではないかと思います。
中学、高校では勉強の比重が大きく、勉強に振り回されやすいです。
予習を進めていくことは、勉強に振り回されなくなるためのひとつの方法です。
勉強がやらなければいけない義務であることはつらいものです。
勉強は、自ら学び、興味を持つことでどんどんできるようになります。
そして、自ら学ぶことが、自立した学習者としての第一歩で、大人になっても自ら学び、自らを成長させることができるようになれば、自分の思い描いた人生になる確率は高くなります。
皆様の参考になれば幸いです。
皆様のご意見、ご感想、またはおすすめの方法、取り組んで良かったことなども教えて下さい。
お気軽にコメントして頂ければと思います。
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