実写版ディズニー「美女と野獣」で使われる英単語を分析しました～アニメ版との違いも考察～

 

海外映画を使って楽しく英語学習ができれば最高ですね。

これまで４つの映画で使われる英単語を分析してきました。
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ディズニー映画は英語学習に最適です。

世界中の人に分かりやすいように作られています。

大人にも子どもにも、非ネイティブにとっても分かりやすい英語が使われています。

今回は実写版ディズニー「美女と野獣」（Beauty and the beast）で使われた英単語を調べてみました。

美女と野獣 (字幕版)

それではどのような単語が使われているか見ていきたいと思います。

尚、英単語の分析には、有志の方々が作成した原稿を使っています。

実際とは若干異なる可能性があります。

ご了承ください。

総単語数、使用単語数など

総単語数　 = ８５１３語

約８０ページの児童向け洋書と同じぐらいです。

参考までに「星の王子さま」で約１７６００語です。

ディズニーアニメ映画「美女と野獣」は７５２８語です。

ディズニー映画 「アナと雪の女王」は７６４６語です。

ディズニー映画「アベンジャーズ」は９１１０語です。

２０１９年公開映画「ジョーカー」は７０３２語です。

使用単語数 = １５９８語

参考までに２０１９年現在

中学英語の必修単語数は約１２００語です。

高校英語の必修単語数は中学英単語約１２００語＋約１８００語＝約３０００語です。

アニメ「美女と野獣」は１４２２語です。

「アナと雪の女王」は１２１６語です。

「アベンジャーズ」は１８４７語です。

 「ジョーカー」は１２４７語です。

総名詞数　＝  ６５１語

総動詞数　＝  ３３７語

総形容詞数＝  ２３２語

　　　　計  １２２０語

名詞、動詞、形容詞で全体の約７６％を占めています。

英語のほとんどは名詞、動詞、形容詞で構成されていると言えます。

使用単語数をみると

アニメ「美女と野獣」より１７６語多いです。

「アナと雪の女王」より３８２語多いです。

「アベンジャーズ」と比べると２４９語少ないです。

「ジョーカー」より３５１語多いです。

実写「美女と野獣」で使用されている単語数も思ったよりも多くないのではないでしょうか。

 前回アニメ「美女と野獣」の分析をしたときの各映画の難易度は、使用されている単語の難易度で考えると下記になりました。

アニメ「美女と野獣」＞「アベンジャーズ」＞「ジョーカー」＞「アナと雪の女王」

詳細はアニメ「美女と野獣」の分析記事をご覧ください。

実写「美女と野獣」の難易度は、アニメ「美女と野獣」より難しいことが推測できるので、下記のようになると思われます。

実写「美女と野獣」＞アニメ「美女と野獣」＞「アベンジャーズ」＞「ジョーカー」＞「アナと雪の女王」

次に使用単語の割合を見ていきたいと思います。

約３７０語が全体の約８０％

総単語数８５１３語の中で

約２１５語が全体の約７０％

約３７０語が全体の約８０％

約７４５語が全体の約９０％

を占めています。

アニメ「美女と野獣」では

総単語数７５２８語の中で

約１６５語が全体の約７０％

約３１０語が全体の約８０％

約６７０語が全体の約９０％

「アナと雪の女王」では

総単語数７６４６語の中で

１５０語が全体の約７０％

２７０語が全体の約８０％

５３０語が全体の約９０％

「アベンジャーズ」では

総単語数９１１０語の中で

約２２０語が全体の約７０％

約４３０語が全体の約８０％

約９３０語が全体の約９０％

「ジョーカー」では

総単語数７０３２語の中で

約１６５語が全体の約７０％

約２９０語が全体の約８０％

約５７０語が全体の約９０％

を占めています。

やはり難易度は実写「美女と野獣」＞アニメ「美女と野獣」＞「アベンジャーズ」＞「ジョーカー」＞「アナと雪の女王」になりそうです。

この数字を見ると７４５語を覚えたら「美女と野獣」のほとんどがわかるんじゃないのと思われるかもしれません。

「海外ドラマはたった350の単語でできている」という本に記載されていましたが、海外ドラマのセリフの80％は350語のシンプルな単語で構成されているそうです。

海外ドラマはたった350の単語でできている [英語マスターシリーズ]

これは実写「美女と野獣」でみると、海外ドラマよりも少し多い３７０個の単語が全体の８０％を占めています。

そのため、実写「美女と野獣」は海外ドラマよりも少し難しいかもしれません。

ただ、全体の約９０％を占める約７４５語を知っていれば実写「美女と野獣」を英語で聞いても本当に理解できるのでしょうか。

中学英語の必修単語数約１２００語の約６２％の７４５語です。

しかし、そんなに簡単なように感じられないのはなぜでしょうか。

1回使用の単語が全体の約５８％

使用単語数１５９８個の中で

1回しか出てこない単語数８７１語が全体の約５５％

2回しか出てこない単語数２３９語が全体の約１５％

合わせて全体の約７０％を占めています。

アニメ「美女と野獣」は約７１％

「アナと雪の女王」は約５２％

「アベンジャーズ」は約５８％

「ジョーカー」は約５２％

です。

一般的に知っている単語数が９０～９５％以上の文章でないと、未知の単語を推測しながらでも理解しながら読むことはできないと言われています。

そのため、「美女と野獣」の７４５語が全体の約９０％だったとしても、この1、２回しか出てこない単語をある程度知っていないとやっぱり理解できないと言うことです。

しかも、これは聞き取れる単語数が９０～９５％以上必要であるということです。

やはり、使用単語数１５９８語は理解する必要があるということでしょう。

しかし、諦めるのはまだ早い。

たかが中学必修単語１２００語からたったの３９８個増えただけです。

そんなに高いハードルではありません。

ではその単語の中身を頻出順に見ていきたいと思います。

頻出単語BEST２０

順位	単語	回数
1	you	323
2	the	276
3	to	200
4	it	168
5	and	145
6	is	103
7	me	102
8	that	98
9	of	97
10	as	97
11	in	93
12	we	83
13	my	82
14	no	81
15	she	80
16	oh	79
17	be	74
18	but	67
19	there	65
20	your	65

これは勇気が湧いてくるのではないでしょうか。 

すべて 中学1年生で習う単語のみです。

アニメ「美女と野獣」「アナと雪の女王」「アベンジャーズ」「ジョーカー」と比較すると「you」の１位は同じです。

アニメ「美女と野獣」と比較すると２０個中１７個。

「アナと雪の女王」と比較すると２０個中１６個。

「アベンジャーズ」と比較すると２０個中１３個。

「ジョーカー」と比較すると２０個中１４個。

は順位の入れ替わりがありますが、同じ単語が含まれています。

どんな映画でも頻出単語はそれほど変わらないようです。

今度は品詞別に見てみましょう。

頻出名詞BEST２０

順位	単語	回数
1	one	50
2	beast	44
3	time	43
4	belle	37
5	gaston	36
6	day	29
7	life	24
8	girl	23
9	love	22
10	guest	20
11	castle	18
12	father	16
13	way	16
14	beauty	15
15	master	14
16	song	14
17	chip	13
18	dinner	13
19	something	13
20	maurice	12

固有名詞がいくつかありますが、これも 中学校で習う単語ばかりです。

頻出動詞BEST２０

順位	単語	回数
1	go	65
2	come	48
3	know	35
4	get	34
5	see	27
6	say	26
7	let	23
8	love	22
9	make	22
10	thank	19
11	tell	19
12	look	19
13	take	19
14	want	19
15	leave	18
16	think	17
17	need	16
18	wait	14
19	try	13
20	feel	13

やはり中学校で習う単語ばかりです。

頻出形容詞BEST２０

順位	単語	回数
1	old	33
2	good	26
3	little	16
4	beautiful	15
5	free	10
6	right	10
7	dear	9
8	small	8
9	sure	8
10	dark	7
11	fine	7
12	true	7
13	lonely	6
14	funny	6
15	certain	6
16	strong	6
17	long	6
18	strange	5
19	sweet	5
20	safe	5

 これもほとんどが中学校で習う単語ばかりです。

２回以上使用される難しい単語

では難しい単語はどのくらいあるのでしょうか。

中学校では習わない単語を中心に２回以上使用されている単語を選びました。

spell	7
hurt	7
bonjour	6
moment	6
madame	6
mademoiselle	6
certain	6
mind	6
curse	6
rhyme	6
darling	5
magic	4
provincial	4
odd	4
calm	4
scared	4
barely	4
pain	4
proof	4
wasting	4
evermore	4
enchantress	3
truly	3
petal	3
monsieur	3
peculiar	3
gorgeous	3
somehow	3
neither	3
somewhere	3
bit	3
alive	3
thief	3
forgive	3
wanna	3
poppet	3
serve	3
prepared	3
terrible	3
childhood	3
creature	3
bittersweet	3
hidden	2
handsome	2
seeking	2
appearance	2
earn	2
remain	2
gonna	2
dignity	2
captured	2
fearless	2
spare	2
disturb	2
startled	2
consider	2
service	2
storage	2
prayer	2
aim	2
dozen	2
monstrous	2
suite	2
charm	2
prisoner	2
starve	2
counting	2
fellow	2
piping	2
indeed	2
law	2
slightly	2
innocent	2
endure	2
unsure	2
rubbish	2
therefore	2
suppose	2
dusty	2
unexpectedly	2
melancholy	2
trials	2
fading	2
flown	2
beyond	2
fades	2
inspire	2
fangs	2
claws	2
threat	2
follow	2
feast	2
grab	2

全部で９３個あります。

「美女と野獣」フランスが舞台なので、フランス語がいくつかあります。

また、魔法やお城、野獣に関連した言葉もいくつかあります。

ほとんどが高校で習う単語ばかりです。

他の２回以上使用される単語のほとんどは中学校で習う単語ばかりでした。

それほど難しくはないように思います。

１回のみ使用される難しい単語

１回しか出てこない単語数８７１語のうち、中学校で習わない単語は４７０個あり、約５４％を占めています。

４７０個の単語の多くは高校で習う単語ばかりです。

村人が使う言葉には多少のスラングもありますが、スラングの中でもメジャーなものばかりで、海外ドラマ、映画、アニメで良く使われるものばかりです。

しかもアニメ「美女と野獣」よりもスラングは少ない印象です。

ほとんどの単語は高校英語でもメジャーな単語が多い印象でした。

単語の難易度

使用単語数１５９８個中、中学校で習う単語は１０３２個で全体の約６５％です。

中学校で習わない単語は５６３個で全体の約３５％です。

アニメ「美女と野獣」の場合、中学校で習わない単語は３９０個で全体の約２７％です。

「アナと雪の女王」の場合、中学校で習わない単語は１９１個で全体の約１６％です。

「アベンジャーズ」の場合、中学校で習わない単語は４４４個で全体の約２４％です。

「ジョーカー」の場合、中学校で習わない単語は２５７個で全体の約２１％です。

単語の難易度で比較すると

実写「美女と野獣」＞アニメ「美女と野獣」＞「アベンジャーズ」＞「ジョーカー」＞「アナと雪の女王」

となりました。

予想通りの結果となりましたが、難易度の差が他の映画に比べ、かなり高いように思われます。

アニメと比べても、中学校で習わない単語は１７３個増えています。

合計５６３個は「アナと雪の女王」の約３倍です。

「アベンジャーズ」や「ジョーカー」も実写ですが、それよりも実写「美女と野獣」の単語の難易度は高いです。

映画のジャンルが難易度に影響していると思われます。

「アベンジャーズ」や「ジョーカー」はアクションシーンも多いです。

一方、セリフでストーリーが進んでいく実写「美女と野獣」は自然と単語数が増え、難易度も上がると考えられます。

次にアニメ版との違いを考察してみようと思います。

アニメ版との違い

アニメ「美女と野獣」で使用されている単語１４２２語のうち、実写「美女と野獣」で使用された単語は９６８語と約７０％です。

また、他の映画とも比較してみます。

アニメ「美女と野獣」で使用されている単語１４２２語のうち、

「アナと雪の女王」で使用された単語は５８５語で約４１％です。

「アベンジャーズ」で使用された単語は６０４語で約４２％です。

「ジョーカー」で使用された単語は５２１語で約３７％です。

やはり、アニメと実写は他の映画と比べても、同じ単語が使用される割合が多いことがわかります。

アニメと実写は大筋のストーリーは同じで、いくつか異なるシーンがあります。

挿入曲も同じものが多く使われています。

セリフは同じものもありますが、言い回しを少し変えているものも多いです。

アニメよりも、ストーリーに深みを持たせるために、実写では直接的な表現が避けられ、間接的な表現が使用されています。

例えば、野獣がベルとダンスをした後のセリフを比較してみます。

野獣が自分と一緒にいることが幸せかをベルに尋ねるセリフです。

アニメ

Belle?
Are you happy here with me?

実写

It's foolish, I suppose...
for a creature like me to hope...
that one day he might earn your affection.

このようにアニメは直接的ですが、実写では間接的な表現になっています。

これらの結果として、約３０％は使用されている単語に違いが生まれると考えられます。

ただ、アニメより、実写の方がスラングは少ないように思われます。

アニメは１９９１年公開、実写は２０１７年公開されました。

これはあくまで個人的な推測ですが、近年、映画自体がより全世界の人に受け入れられるように、スラングをあまり使用しなくなってきているのではないかと思われます。

海外ドラマとの比較

実写「美女と野獣」の中学校で習わない単語数を、実際に数字で見てみると、その５６３個が多く感じるかどうかは個人によるとは思いますが、実際に見てみると実写「美女と野獣」がそれほど英語で聞くのに難しい映画ではないと思われます。

しかも、その５６３個の多くは高校で習う単語がほとんどです。

海外ドラマの場合は、スラングが多く、簡単な単語でも本来の意味と全く違う意味で使われていることも多々あります。

特にローカルなドラマだとそれが顕著になるように思います。

例えば、アメリカのドラマだとアメリカで人気のテレビ番組などが、ネタにさることもあり、アメリカの文化についての理解など背景知識も必要になってきます。

しかし、映画は、全世界の様々な地域の、様々な年代の方をターゲットにしているため、予備知識も少なくていいように、表現も一般的な言葉が選ばれているように感じます。

そのため実写「美女と野獣」も、一般的な海外ドラマよりは簡単だと思います。

 中学校で習う文法、単語を理解しており、単語を頑張って覚えれば実写「美女と野獣」を英語で見ても理解できるということが分かります。

そして、高校で習う文法、単語を理解していれば、実写「美女と野獣」を英語で見ても理解できるということが分かります。

さらにディズニー好きな方は、魔法やお城に関係する用語はよく耳にすると思うので、理解しやすいと思います。

そして、アニメ「美女と野獣」を英語で見てから、実写を見ればさらに理解しやすくなります。

後に残された問題は聞き取れるかどうかです。

尚、中学校で習う習わないの基準は、主観による判断ではありますが、長年学校英語に関わり、中学生用の英語教材を作成した経験をもとに判断しておりますので、ある程度正確かと思われます。

リスニング力を鍛えるには

リスニングの基本となる能力を鍛えるためにおすすめの方法は、ディクテーションです。

ディクテーションとは聞いた英文を文字に起こすことです。

ディクテーションをすると、すべての単語を聞き取ろうと耳を傾けるのでリスニングの集中力が大きく伸び、前置詞や冠詞、時制といった細かい点にも敏感になります。

そして、正確なリスニング力がつきます。

正確なリスニング力がつけば、映画「美女と野獣」を英語で見てもしっかり聞き取れるはずです。

詳細の方法についてはこちらの記事をご覧ください。

jukupapa.hatenablog.com

具体的な映画を使った英語学習もご紹介します。

 海外映画を使った英語学習方法

①映画を字幕なし、英語音声で聞く。

②映画のスクリプト、台本を読む。

③再度映画を字幕なし、英語音声で聞く。

個人差があると思いますが、この順番で見ると２回目に映画を見たときに聞き取れる単語が劇的に増えます。

詳細の方法についてはこちらの記事をご覧ください。

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映画を英語で見ることが難しい他の理由

単語が聞き取ることができるが、内容が理解できない場合は、英語と日本語の語順に違いがあることが影響しています。

特に日本英語教育に慣れ親しんだ方の場合、英語を日本語の語順に直して理解しようとするクセが付いていることがあります。

英語の論文など、一字一句誤解のないように読むには、その方法も有効ですが、リスニングや英会話では時として、その思考方法が障害になる場合があります。

リスニングの場合、聞いた内容を理解しながら、英語を日本語の語順に置き換えて理解することはとても高度な技術が必要です。

そのため、英語を英語の語順のまま理解することが、英語を理解しながら聞き取るためには必要です。

しかし、いきなり英語の語順のまま理解すると言われても難しいので、まずは英語の意味の塊ごとに理解して行くことを意識してみましょう。

日本語を習い始めたばかりの外国人が、片言の日本語を話す様子をイメージしてみてください。

外国人にとっても日本語は語順が違うため、とても難しい言語です。

そのため、外国人が話す片言の日本語は、語順が英語に近くなります。

「私は　来ました　日本に　昨日」

「あなたは　好きですか　この料理　私が　作った」

日本語は語順が変わっても理解できる言葉なので、このように話されても十分理解できます。

その日本語の語順の自由さを利用して、英語を理解していきます。

そうすれば、この日本語と英語の語順の違いにも対応できるようになります。

海外ドラマ、映画、アニメを英語で見ることが難しい理由については、こちらの記事で詳しく説明しています。

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最後に

英語は楽しみながら学習することができます。

今回は、「美女と野獣」を題材に、実写とアニメを比較してみました。

実写はアニメと比べ難易度は高いですが、アニメを見てから、実写をみるとかなり理解がしやすくなります。

そのため、「美女と野獣」は英語学習には適した映画です。

「美女と野獣」以外にもアラジンなど、実写とアニメの両方がある作品もいくつかあります。

このようにディズニー映画は、同じ作品で、絵本・小説・アニメ・実写など様々な形式が存在します。

そのため、同じ作品で英語のレベルが簡単なものから、難しいものまであります。

好きな作品があれば、絵本から始めて、最後は小説まで段階的に英語のレベルを上げていくことができます。

「美女と野獣」を活用した段階的に、英語のレベルを上げていく英語学習法については、こちらの記事で詳しく説明しています。

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海外映画を英語で楽しむ！

思っていたよりも簡単にできそうな気がしませんか？

やり方を工夫すれば、海外ドラマ、映画、アニメを英語で楽しむことはそんなに難しいことではありません。

皆様の参考になれば幸いです。

皆様のご意見、ご感想、またはおすすめの方法、取り組んで良かったことなども教えて下さい。

お気軽にコメントして頂ければと思います。

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