塾を運営していると生徒、保護者の方からよく英語長文対策ついてご相談を頂きます。
長文を読むのが苦手です。
長文ってどうやって練習すればいいですか。
わからない単語があると文章の意味が分からなくなります。
などなど。
今回の記事では、高校入試における英語長文対策についてご紹介したいと思います。
この記事を読んでいただければ、長文の練習をしてみようと思われるかもしれません。
英語長文が難しい理由
英語長文が難しい理由は、長文の読み方を明示的に教えてもらっていないことが一番の理由です。
日本語の文章でもそうですが、国語の授業では、文章の内容を説明することは多いですが、文章自体の読み方を指導することは少ないと思います。
指導している素晴らしい先生方もたくさんいらっしゃると思います。
しかし、私自身の経験、生徒から聞く話では、学校で日本語にしても、英語にしても文章の読み方を明示的に教えて頂いたことはほとんどありません。
そのため、英語長文は難しい、苦手と思っている生徒は多いように思います。
英語長文を読むためには
英語長文を読むためには3つの力が必要です。
①語彙力
②読解力
③未知の単語や文の内容を推測する力
③文の内容や未知の単語を推測する力は、②読解力として捉える事も出来ると思います。
①②は英語に関わらず、日本語の文章を読む際にも求められる力です。
③は特に英語長文に必要な力のため、あえて③とさせて頂きました。
①語彙力
文章は一般的に知っている単語数が90~95%以上の文章でないと、未知の単語を推測しながらでも理解しながら読むことはできないと言われています。
そのため英語長文読解において、もっとも重要なことは①語彙力を増やすことです。
特に高校入試では、扱われる単語数も少ないため、上位の高校を狙う生徒であれば、分からない単語がほとんどない状況を目指したいです。
高校入試の先にある、高校での授業、大学入試、大学での授業、社会人での英語スキルを考えると、高校入試で出題される英単語を覚えることは必須です。
そのため、英語をモノにしたいのではれば、まずは語彙力を増やし、分からない単語をなくすことを第一に考えることをおすすめします。
②読解力
②の読解力については、高校入試に出題される英文のレベルはそれほど高度なものではなく、日本語で書かれていれば、難なく文章の内容を理解でき、設問に答えられるものばかりです。
そのため、高校入試においては、そこまで高度な読解力は必要とされません。
一度解説に記載されている本文、設問の日本語を読んで、理解できるかを確認することをおすすめします。
なお、大学入試においても、長文問題を解いた後に、解説にある日本語で書かれた文章を読んで、日本語で設問に答えられるかを確認することも効果的です。
そうすることで、大学入試の長文問題が解けない理由が、英語力にあるのか、それとも日本語を含めた読解力自体に問題があるかを理解することができます。
理由が分かれば、対策を取りやすくなるので、この日本語で解けるかどうかを確認することはとてもおすすめの方法です。
③未知の単語や文の内容を推測する力
日本語でも分からない単語があれば、漢字のつくりや、文章の前後関係から意味を推測しているのではないでしょうか。
それと同じように英語でも分からない単語は、単語のつくりや、文章の前後から意味を推測することができます。
たとえば、「regular」=「レギュラー、規則正しい」という単語の意味をしっていれば、「irregular」=「イレギュラー、不規則な」という単語の意味は推測しやすくなります。
英語も日本語のように、漢字のつくりのようなものがあり、それを知ることで単語の意味が推測しやすくなります。
また、英語は語順が明確に決まる言語のため、単語の位置でも意味が推測できます。
全体の内容にしても、英語は詳しい説明は後ろに付けるという性質があります。
これはひとつの文についても、文章全体についても言えることです。
そのため、英語は一番始めにくる結論の文章が一番難しいことが多いです。
その文章の説明をうしろに続く文章が、どんどん詳しい説明を加えていきます。
この英語の構造を知っているだけも、文章の理解はしやすくなります。
反対にこの構造を知っていないと、始めの文章が理解できない=文章自体が理解できないと考え、長文を読むことに苦手意識をもつ生徒は多いように思います。
また、日本語と同じように接続詞に注目することでも、文章の働きがわかり、文の内容を推測しやすくなります。
日本語では自然とできている推測しながら読むことも、英語になると一文字一文字に意識が集中するため、この推測をして読むことをしなくなる生徒がとても多くなります。
日本語の文章はもちろん、英語の文章ではこの推測をするということを意識し行うことが文章を読みやすくしてくれます。
長文対策には「速読英単語」がおすすめ
具体的な長文対策は、長文問題を解く際に③未知の単語や文の内容を推測する力を養うことを意識することです。
推測しながら読むことで、推測する力はどんどん伸びてきます。
おすすめの問題集は「速読英単語」です。
題名をみて単語帳じゃないのと思われたかもしれません。
「速読英単語」はただの単語帳ではありません。
文章を読むことで、単語を覚えることに焦点を当てた問題集です。
この1冊で単語だけでなく、長文読解も、リスニングの練習もできるすぐれものです。
しかも、延々と単語を覚える作業をしなくても、英単語が覚えられるように設計されています。
単語レベルに合わせて複数の種類があります。
大学入試対策で有名な問題集ですが、中学校用のものもあり、高校入試にも使えます。
「速読英単語」の特徴については、こちらの記事で詳しく説明しています。
高校入試の英語長文対策におすすめの2冊をご紹介したいと思います。
高校入試でおすすめの2冊
中学版
高校入試レベルに対応した単語帳です。
こちらは音声をQRコードで聞くことができ、音声ダウンロードも可能です。
高校入試問題を徹底分析し作成されています。
高校入試に必要な約1,300語が厳選されています。
高校入試頻出の熟語・会話表現も掲載されています。
高校入試で単語帳を使うならこの1冊がおすすめです。
全部で57個の文章が掲載されています。
ひとつ目の文章は18文字です。
57個目の文章は118文字です。
少ない文字数から順々にレベルを上げて文章を読めるので、難なく読み進められると思います。
基礎から長文の練習をしたい場合におすすめの一冊です。
ただ、上位校を目指す場合には、少し物足りなく感じると思います。
その場合は、次の「速読英単語」がおすすめです。
入門編
高校1年生の春から使用することを目的に作られた「速読英単語」です。
中学校で学習する単語も多く含まれており、大学入試基礎単語約700語を掲載されています。
大学入試と言ってもほとんどは中学3年生でも十分馴染みのある単語ばかりです。
全部で56個の文章が掲載されています。
ひとつ目の文章は50文字です。
57個目の文章は116文字です。
このレベルの文章がスラスラ読めるようになれば、高校入試では十分な語彙力と長文読解力を身に付けることができます。
効果的な使い方
何度も読む
一度読んだだけでは英単語はなかなか覚えられません。
繰り返し何度も読んでストーリーと一緒に、英単語を覚えていきましょう。
単語を繰り返し書くのが好きな方は別ですが、書くよりも読む回数を増やした方が覚えられます。
長文を読むときに、音読をすればさらに効果的です。
何度も聞く
CDも何度も聞きましょう。
一度長文を読んだ内容をリスニングするので、聞き取りもしやすいはずです。
単語ひとつひとつをイメージしながら、聞くことでリスニング力はさらに高まります。
CDを聞くときに、一緒に音読をするとさらに効果的です。
具体的な方法
1つの長文について、
①英文を読む
②日本語訳を確認する
③英単語を確認する
④CDを聞く
の順番に行いましょう。
そして、
1日に1つずつ読む長文を増やしていきます。
1日目 ①の長文を練習する
2日目 ①②の長文を練習する
3日目 ①②③の長文を練習する
・・・
5日目 ①~⑤の長文を練習する。
このように増やしていき6日目からは、長文を1つ減らし、新しい長文を1つ増やしていきます。
6日目 ②~⑥の長文を練習する
7日目 ③~⑦の長文を練習する
・・・
このように繰り返しやることで、単語を覚える作業をしなくても、英単語を身につけることができます。
また、今回は5つの長文を常に読むようにご紹介していますが、記憶力には個人差がありますので、3つに減らしたり、7つに増やしたり調整して頂ければと思います。
同様に一日に増やす量も1つでも、2つでもOKです。
自分が続けられるペースでやっていきましょう。
継続するために
英語力を伸ばすために一番重要なことは、継続することです。
ご紹介した方法を週1回しただけでは、効果は薄くなります。
毎日することで、効果は高まります。
こんなにするのは大変と思われたかもしれません。
しかし「速読英単語」の良いところは、まとめてやらなくてもできる点です。
1日の中で、長文を5つ読めばいいので、朝に1つ、昼に2つ、夜に2つでもOKです。
ひとつひとつは短いので、スキマ時間を使って読むことができます。
また音声CDも移動中など、リスニングは何かをしながらでも練習ができます。
必ずしも1つの長文を読んだ後に、1つのリスニングをする必要はありません。
習慣的に学習できるように、日々の生活の中に、長文を読む時間、音声を聞く時間を取っていきましょう。
最後に
成績を上げる方法は2つしかありません。
勉強時間を増やすか、勉強効率を上げるかの2つです。
もちろん勉強時間を増やすことは大切です。
しかし、勉強時間を増やすことは限界があります。
そして、勉強時間を増やせば、増やすほどその効果は薄くなっていきます。
そのため、勉強効率を上げることが重要です。
勉強効率を上げれば、同じ勉強時間でも成果が変わってきます。
勉強効率を上げれば、少し勉強時間を増やすだけでも成果が大きく変わります。
「速読英単語」は複数の技能を一度に習得できるすぐれた参考書です。
ぜひうまく活用して、効果的に効率よく勉強していただければと思います。
この記事を読んでくださった方が、英語力UP、高校受験に成功されることを願っております。
皆様の参考になれば幸いです。
皆様のご意見、ご感想、またはおすすめの方法、取り組んで良かったことなども教えて下さい。
お気軽にコメントして頂ければと思います。
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