塾を運営していると生徒、保護者の方から、中学校に入る前の準備についてよくご相談を頂きます。
小学校のうちにしておいた方がいいことはありますか?
中学校は大変とよく近所の方から聞きます。
英語は、はやめにやっておくほうがいいですよね?
などなど。
この記事では、小学6年生の生徒が、公立中学校に入学するまでの約3カ月でしておいた方がいいことをご紹介します。
今回ご紹介する方法は、私が運営する塾でも実際に取り組んでいる内容です。
この内容を小学生までに取り組んでおくと、中学1年生の1学期をうまく乗り越える可能性が高くなります。
この記事を読んで頂ければ、中学校生活をうまくスタートする方法を、分かって頂けるかもしれません。
小学校と中学校の違い
具体的な違い
①英語が本格的に始まる
②テストが年に数回すべての教科で実施される
③学校での成績が高校入試の判定に使われる
④授業が教科担任制になり、それぞれの授業の進め方に順応する必要がある
⑤宿題をチェックされることは少なく、自力でワークを仕上げる必要がある
⑥クラブ活動の生活に占める割合が多くなる
⑤⑥は学校や所属するクラブにもよるとは思いますが、概ねこの様な変化が予想されます。
特に勉強、テストとクラブ活動は大きな変化であり、この2つにうまく対応することが重要です。
勉強について
中学校になれば学校で配布された問題集を使って日々勉強を進めていくのが理想ですが、その学習も小学校のように毎日チェックされるわけではなく、テスト後にまとめてチェックされる場合が多くなります。
そのため、小学校のときは毎日勉強していたのに、中学校になってから毎日勉強しなくなったと、保護者の方からよくお話をお伺いします。
中学校ではクラブ活動で忙しい中、自分で時間を使って学習を進めていく自学自習力が必要になってきます。
テストについて
小学校までは、ひとつの単元ごとにテストを行っていましたが、中学校になると年に4~6回しか定期テストがないので、2~3の単元を一度に網羅する必要があります。
しかも、主要5教科を一度に学習する必要があります。
そして、テストの平均点はおよそ65点前後になるように作られているように感じています。
そのため、小学校のときは80点以上ばかりだったのに、中学校では平均点を取るのがやっとになったと、保護者の方からよくお話をお伺いします。
小学校のテストは、みんなが100点を取りやすいように作成されているように感じます。
平均点も80点以上だと予想されます。
小学校の80点と中学校の80点は、同じ80点でも平均点が異なるため、同じように比較することはできません。
クラブ活動について
文科省より、平日にクラブ活動のない日を作る、土日はどちらかを休みにするという方針が出されてから、以前よりクラブ活動の時間、日数は減っているように感じます。
しかし、クラブ活動が、時間的にも、生徒の心理的にも中学校生活の大部分を占めていることは変わりません。
特に、中学1年生の春は、新しい環境、新しい友だち、新しい先生、新しい先輩など環境が大きく変わるため、その環境に体力的にも、精神的にも、適応するのに時間がかかる生徒もいます。
中学校までにしておきたい3つのこと
家庭学習の習慣
中学校では、小学校のように毎日宿題が出されなくなるケースがほとんどです。
そのため、中学校に向けて小学校のうちに、学校の宿題になっていないもの取り組む習慣をつけておくと、中学校になってからも自主的に学校の問題集を取り組める確率が高くなります。
まずは、一日プリント1枚でも、1日10分でも取り組むことをおすすめします。
使用する教材は市販の公文のドリルなどがおすすめです。
初めに取り組む教材は、本人にとって簡単なものをおすすめします。
初めは、ドリルをやることを習慣化することが重要です。
そのため、内容は求めず、まずは継続的にやるために、続けやすい内容を取り組んでください。
そして、習慣的に学習できるようになってから、内容を吟味して、苦手な範囲などのドリルに変えることをおすすめします。
いきなり、苦手な範囲のドリルから取り組むと失敗するケースが多いように思います。
また、はじめは親子で一緒に取り組むのがおすすめですが、なかなか一緒の時間が取れない場合は、毎日のやる内容を親子で決めて、子どもがドリルを一人で取り組み、採点は親がするのもおすすめです。
採点の際に、コメントなどを添えると、子どもも喜ぶので一緒に取り組まなくても継続しやすくなります。
ただし、コメントは必ず良いことを書くことをおすすめします。
指摘は採点の〇✕だけで十分な場合がほとんどです。
中学校から配布された問題集の使い方については、こちらの記事で詳しく記載しています。
勉強の準備
学習習慣がついてくれば、内容を中学校の予習に切り替えていきましょう。
教科は数学と英語の2つを進めていきましょう。
小学校の内容を完璧にした方がいい場合もありますが、小学校の内容は、中学校でもう一度学習します。
中学校の内容を学習しながら、小学校の復習もできていきます。
小学校の内容がある程度できているようなら、中学校の内容をすすめることをおすすめします。
使用する教材は、くもんの基礎固めシリーズです。
くもんの市販教材はひとりでも進めやすいものが多く、使いやすいです。
予習の仕方については、こちらの記事で詳しく説明しています。
生活のリズムを整える
中学校に入学すると、クラブ活動で体力的にも、精神的にも疲れることが多くなります。
クラブによっては朝練があったり、毎週土日もクラブ活動があったりします。
年齢的にも十分な睡眠時間が必要な年代にも関わらず、睡眠時間は小学校より短くなりやすいです。
十分な睡眠時間が確保できないと、身に付いた学習習慣も崩れ、勉強もおろそかになりがちです。
中学校に入る前に、就寝時間などは事前に話しておくことも大切です。
また、中学校に入学するタイミングでスマートフォンを購入する方もいらっしゃると思います。
スマートフォンやメディアとの付き合い方は、大人も同じですが、子どもの日常生活に大きな影響を与えます。
事前に使用するルールを決めたり、SNSなどの使い方を話したりすることをおすすめします。
小学校のうちにすでにスマートフォンを持っている場合は、中学校に入学するタイミングは、スマートフォンについて話し合うちょうどよいタイミングです。
一度スマートフォンやメディアとの付き合い方について、話し合う機会を設けることをおすすめします。
塾での取り組み
参考までに、塾ではどのように取り組んでいるかを紹介します。
進度が早い生徒は6年生になる前から、中学校の内容を学習していますが、どの生徒も
遅くても年始からは中学校の内容を予習します。
そして、1学期に学習する内容をある程度、学習し終えておきます。
そうすると、中学1年生の春は、環境が激変しますので、生徒本人も、保護者の方も学習面での心配が少なくなります。
また、中学入学前の春休みに、小学校中学校の違いや、学校の問題集の使い方、テスト勉強の仕方を説明します。
生徒自身、保護者が事前に、これらのことを知っているだけでも、中学校生活をうまくスタートする可能性が高くなります。
また中学生は、テスト後に生徒と1対1で面談をし、テストの振り返りと家庭学習の様子を確認し、自学自習力を身に付けられるようにサポートしていきます。
テストや受験は勉強の仕方を身につけるための良い練習になります。
テストの振り返りについては、こちらの記事で詳しく説明しています。
最後に
小学6年生の生徒にとっては、中学入学までたった3カ月ですが、このたった3カ月でも中学校に向けた準備は十分にできます。
小学校と中学校の違いを知っておくだけでも、生徒本人も、保護者の方も心持ちは大きく変わります。
中学校生活がスムーズに行くためのお役に立てればと思います。
皆様の参考になれば幸いです。
皆様のご意見、ご感想、またはおすすめの方法、取り組んで良かったことなども教えて下さい。
お気軽にコメントして頂ければと思います。
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