海外ドラマ、映画、アニメを英語で見たい!
そう思われる方は多いのではないでしょうか。
ただ、実際に英語で聞いてみると、
まったくわからない。
ほとんど聞き取れない。
聞き取れなさすぎて、心が折れる。
などなど。
海外ドラマ、映画、アニメを英語で見ることのハードルを高く感じると思います。
実際に日本人にとって、海外ドラマ、映画、アニメを英語で見ることは、絶壁をロープなしで登るほど難しいことかもしれません。
しかし、実際に日本で生まれ、日本で育ち、海外に行ったことのない方でも、海外ドラマ、映画、アニメを英語で見ることは可能です。
この記事を読んで頂ければ、海外ドラマ、映画、アニメを英語で見たいけど、ハードル高すぎ!と思っていらっしゃる方が、「意外といけるんじゃないの」と思ってもらえるかもしれません。
- 学校英語と実際の英語の違い
- 単語ひとつひとつの発音
- 文章になると音が消える
- 語彙力
- 聞き取れるようになるには
- 完璧に聞こうとしない
- 自分の日本語と英語のレベル差を理解する
- 英語の語順のまま理解する
- 最後に
学校英語と実際の英語の違い
中学、高校の6年間で、私たち日本人は約1000時間英語の勉強をしています。
日本の英語教育は、大学で英語の論文を読むために設計されています。
そのため、学校で習う単語は学術用語が多く、日常会話で扱われる単語が少ないのが特徴です。
学校英語だけでは、ネイティブの子供が見るような、簡単なアニメでさえも理解できない理由がここにあります。
日本の英語教育の特徴については、こちらの記事で詳しく説明しています。
日本の英語教育のみ学習してきた方が、海外ドラマ、映画、アニメを英語で見られるようになるまでの課題と、その解決策をご説明します。
単語ひとつひとつの発音
まずは単語ひとつひとつの発音が、聞きとれるようになる必要があります。
ただし、LとRが聞き取れないなど、細かい発音は後からでも改善できるので、こだわりすぎないことが重要です。
発音について一通り学習するだけでも、聞き取れる単語は増えます。
最低限知っておきたい発音についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
また、詳しく発音について学習したい方は「英語耳」がおすすめです。
文章になると音が消える
一般にリダクションと呼ばれるものです。
音がなくなる、しっかりと発音されないことを指します。
日本語でも同じようなことがあり、「ありがとうございます」を「あざーす」と言ったり、「こんにちは」を「こんちはー」と言ったりします。
これと同じように英語場合では以下のような場合です。
「bag」のgの音が聞こえない。
「want to」→ 「wanna」のように省略される。
日本語は一文字に必ず母音(あ・い・う・え・お)の音が入るので、言葉が消えにくいのですが、英語はそうではないので、発音しにくい音や、重要でない音は消えていきます。
日本語と同じように使用頻度が高い言葉でも、よくリダクションが起こります。
これらは、文章ごと発音を覚えることで解決できます。
詳しく学びたい方は、先ほどご紹介した「英語耳」でも紹介されています。
文章になると音がつながる
一般にリエゾン(リンキング)と呼ばれるものです。
音がつながることを指します。
日本語でも同じようなことがあり、「天皇」を「てんおう」ではなく「てんのう」と発音したりします。
これと同じように英語場合では以下のような場合です。
「Thank you.」をサンクユーではなく、サンキューと発音する。
これらも、文章ごと発音を覚えることで解決できます。
詳しく学びたい方は、先ほどご紹介した「英語耳」でも紹介されています。
このリダクションとリエゾン(リンキング)は、日本語よりも英語では頻繁に起こります。
そのため、英語が日本人にとって聞き取りづらい。
学校の英語と本場の英語は違う。
ということが起こります。
しかし、しっかりと発音について学べばそんなに難しいことではありません。
「英語耳」を一冊読むだけでもだいぶ変わってきます。
また、英語を聞き続ければ自然と聞き取れるようになります。
学校の英語教育だけでは英語を聞く量が圧倒的に少ないため、日本人はこの2つのポイントにつまずきやすいですが、量をこなせば自然と聞き取れるようになります。
リダクションとリエゾン(リンキング)以外にも、英語を聞きづらくする要因はありますが、この2つだけ知っていれば十分だと思います。
聞き取りのスピード
音が聞き取れるようになった後の課題は、英語の話すスピードについていくことです。
音が聞き取れても、脳が処理できないため、意味が理解できないということが起こります。
これを改善する方法としては、英文を読むスピードを上げる事です。
「読むスピード>聞くスピード」です。
読むスピードが上がれば、聞き取れるスピードも上がってきます。
聞くスピードはたくさん聞くことでも解消されますが、意図的に聞くスピードを上げるためには、英文の多読をおすすめします。
多読におすすめの本は「Oxford Reading Tree」シリーズです。
1ページ2,3文字の絵本から始め、無理なく長い文章が読めるようになっていきます。
「Oxford Reading Tree」についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
また、英文を読むスピードをストップウォッチで測るのもおすすめです。
特に、英語の語順を頭の中で入れ替えて、日本語訳してしまう方におすすめです。
タイムを意識することで、自然と英語の語順のまま読むクセがつきます。
語彙力
日本の英語教育は、大学で英語の論文を読むことを目標に設計されています。
そのため、学校英語だけではネイティブの方が幼少期に学ぶ、日常で頻繁に使われる語彙が圧倒的に不足します。
知らない単語は聞き取ることができません。
また、一般的に知っている単語数が90~95%以上の文章でないと、未知の単語を推測しながらでも理解しながら読むことはできないと言われています。
これは聞くことにも同じことが言えます。
そのため、語彙力を増やすことが、聞き取るためには必須です。
日常会話で使われる語彙を増やすためには、アニメを英語で見ることがおすすめです。
特におすすめのアニメは「Curious George(おさるのジョージ)」です。
ジョージは海や山、遊園地や水族館など、日常で想定されるほとんど場所に出かけます。
そのため、様々なシチュエーションの英会話を学ぶことができ、使える英会話表現の宝庫です。
また登場人物も多様で、多国籍かつ、年代、職業も様々です。
そのため、リスニングのトレーニングに最適です。
「Curious George(おさるのジョージ)」については、こちらの記事で詳しく説明しています。
「Curious George(おさるのジョージ)」が難しいと感じられる場合は「Peppa Pig」がおすすめです。
日本でいうアンパンマンのように、イギリスで親しまれているキャラクターです。
「Peppa Pig」については、こちらで詳しく解説しています。
これらのアニメが理解できるようになってくれば、色々な動画にチャレンジしてみてください。
その他の動画については、こちらの記事でレベル別にご紹介しています。
また、語彙力を増やす方法としては、単語帳を使うのが一般的ですが、無機質な単語帳を暗記しても、使える語彙は増えません。
そのため、英文を読む中で語彙力を増やすことをおすすめします。
語彙力を増やすためにおすすめの方法のひとつは多読です。
効率よく語彙を増やしたい場合は、「速読英単語」をおすすめします。
これは大学入試用の教材ですが、長文を読んで単語を覚えることを目的とした教材のため、使える語彙を効果的に増やすことができます。
「速読英単語」についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
聞き取れるようになるには
海外ドラマ、映画、アニメを英語で見るために、これだけ乗り越えなければならない壁があるのなら、やっぱり大変そうだなと思われたかもしれません。
そう思われた方は、これまでの内容は全て忘れて頂いてもOKです。
ひとつひとつの壁を乗り越える方法はありますが、英語で海外ドラマ、映画、アニメをたくさん見れば自然とクリアできます。
量がすべてを解決してくれます。
英語をたくさん聞く、たくさん読む学習方法を暗示的学習といいます。
私たち日本人が日本語を習得した方法は、暗示的学習になります。
英語で海外ドラマ、映画、アニメをたくさん見て、たくさん聞いて、英語で本を読んでみたいなと思ったら、英語で本を読むことにチャレンジしてみましょう。
英語で読書ができれば、もっと英語が聞き取れるようになります。
そして、もっと効率よくできるようにしたいと思うようになったら、参考書を使うと近道ができます。
参考書などを使って学習する方法を明示的学習といいます。
一般に第二言語習得研究では、英語学習には10歳以降からこの暗示的学習の効果が高まると言われています。
そのため、10歳までは暗示的学習を中心に行うのがおすすめです。
第二言語習得研究について詳しく知りたい方は、こちらの本がおすすめです。
次は、英語を聞く上での心構えをご説明します。
この心構えを知っているかで、聞き取れる内容が大きく変わります。
完璧に聞こうとしない
普段日本語で会話しているとき、私たちは日本語を一言一句、完璧に聞いているわけではありません。
聞き逃したところは補いながら、先に話すことを予測しながら聴いています。
しかし、英語になった途端に、一言一句聞くことに集中していませんか。
そして、100%聞き取れないと、英語が聞き取れなかった、英語は難しいと判断していませんか。
英語を一言一句、聞き取ろうとすることで、頭の中の「言葉を補ったり」「予測したり」するスイッチがオフになってしまいます。
まずは、100%聞き取らなくていいと思いましょう。
そして、日本語で無意識にしているように、頭の中の「言葉を補ったり」「予測したり」するスイッチをオンにしましょう。
スイッチをオンにするには、たくさん英語を聞く、読むことで矯正されていきます。
私もそうですが、学校英語の勉強に慣れている方は、英語を一言一句、聞き取ろうとする傾向が強く、英語で文章を読んでも、分からない単語があると、ひとつひとつ調べないと気が済まないと思います。
単語を調べたい気持ちはいったん我慢して、分からないところは聞き流して、読み流して、分かる部分を頭の中でつなげて意味を推測していきましょう。
そうするとだんだんと、頭の中の「言葉を補ったり」「予測したり」するスイッチがオンになっていきます。
自分の日本語と英語のレベル差を理解する
英語で理解できるという基準を、日本語と同じレベルで理解しようとしていませんか。
年齢が高くなるほど、語彙力や論理的思考力は高くなるので、どうしても今の自分の日本語レベルと、英語レベルの差を比べてしまうと思います。
しかし、英語のレベルが、母国語に追いつくことはほぼ不可能だということを理解しましょう。
そして、英語のアニメが理解できない時点で、英語のレベルは幼児以下です。
それを受け入れ、英語で話す自分を、新しい子どもができたと考えましょう。
「英語ではなす自分=新しい子ども」と認識し、子育てをするように、英語で話す自分を育てましょう。
そう考えれば、幼児にいきなり、海外ドラマ、映画は見せないはずです。
まずは、日本語のアニメでいえば、アンパンマンなどからはじめ、戦隊もの、プリキュア、などを経て、ドラえもん、サザエさんとレベルを徐々に上げていきましょう。
そうすれば、自然と「英語ではなす自分=新しい子ども」は、だんだんと英語の力を身につけていきます。
英語の語順のまま理解する
日本語と英語の大きな違いは語順です。
これが、英語で海外ドラマ、映画、アニメを見るのが難しい致命的な要因になっています。
特に、学校英語では、英語を日本語に直して理解する方法を学んでいるため、英文を文法的に分析し、語順を頭の中で入れ替えながら、日本語として理解するクセがついています。
英語の論文などを読む際には、とても有効な手段ではありますが、英語で海外ドラマ、映画、アニメを見る場合には、このような方法で理解することは不可能です。
短い文章ならまだしも、長い文章であれば尚更です。
そのため、英語で海外ドラマ、映画、アニメを見るためには、英語の語順のまま理解していく必要があります。
しかし、いきなり英語の語順のまま理解すると言われても難しいので、まずは英語の意味の塊ごとに理解して行くことを意識してみましょう。
日本語を習い始めたばかりの外国人が、片言の日本語を話す様子をイメージしてみてください。
外国人にとっても日本語は語順が違うため、とても難しい言語です。
そのため、外国人が話す片言の日本語は、語順が英語に近くなります。
「私は 来ました 日本に 昨日」
「あなたは 好きですか この料理 私が 作った」
日本語は語順が変わっても理解できる言葉なので、このように話されても十分理解できます。
その日本語の語順の自由さを利用して、英語を理解していきます。
そうすれば、この日本語と英語の語順の違いにも対応できるようになります。
最後に
英語は楽しみながら学習することができます。
まずは簡単なアニメ見ることから始めることをおすすめします。
そして、大切なことは諦めずに続けることです。
始めは大変だと思います。
しかし、継続すれば、必ずいつか英語で海外ドラマ、映画、アニメを聞き取れるようになります。
皆様の参考になれば幸いです。
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