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映画「ジョーカー」で使われる英単語を分析しました~海外映画で英語学習~

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海外映画を使って楽しく英語学習ができれば最高ですね。

 

これまでディズニー映画で使われる英単語を分析してきました。www.jukupapa.com

 
ディズニー映画は英語学習に最適です。

世界中の人に分かりやすいように作られています。

大人にも子どもにも、非ネイティブにとっても分かりやすい英語が使われています。

 

では通常の海外映画ではどのような英単語が使われているのでしょうか。

 

 

2019年公開の話題作、映画「ジョーカー」(Joker)で使われた英単語を調べてみました。

 
ジョーカー(字幕版)

ジョーカー(字幕版)

  • メディア: Prime Video
 

 

それではどのような単語が使われているか見ていきたいと思います。

 

尚、英単語の分析には有志の方々が作成した原稿を使っています。

まだ、DVDが発売されていませんので、実際とは若干異なる可能性があります。

ご了承ください。

 

 

総単語数、使用単語数など

総単語数  = 7032語

 

約70ページの児童向け洋書と同じぐらいです。

参考までに「星の王子さま」で約17600語です。

 

ディズニー映画 「アナと雪の女王」は7646語です。

ディズニー映画「アベンジャーズ」は9110語です。

 

使用単語数 = 1247語

 

参考までに2019年現在

中学英語の必修単語数は約1200語です。

高校英語の必修単語数は中学英単語約1200語+約1800語=約3000語です。

 

「アナと雪の女王」は1216語です。

「アベンジャーズ」は1847語です。

 

総名詞数 =  534語

総動詞数 =  237語

総形容詞数=  160語

    計   931語

 

名詞、動詞、形容詞で全体の約75%を占めています。

英語のほとんどは名詞、動詞、形容詞で構成されていると言えます。

 

使用単語数をみると「アナと雪の女王」より31語だけ多くです。

「アベンジャーズ」と比べると600語少ないです。

 

 

この数字を見れば「ジョーカー」の難易度は「アナと雪の女王」と同じくらいで、「アベンジャーズ」よりも簡単と言えるかもしれません。

 

単語数も思ったよりも多くないのではないでしょうか。

しかもディズニーアニメとほぼ同じ単語数です。

これは意外な結果です。

 

始め「ジョーカー」はやっぱり難しいというオチにしようと考えていました。

これは予想外の展開が期待できそうです。

 

アクション映画なので単語数が少ないのかもしれません。

そして、使われている単語は難しいかもしれません。

 

約290語が全体の約80%

総単語数7032語の中で

約165語が全体の約70%

約290語が全体の約80%

約570語が全体の約90%

を占めています。

 

「アナと雪の女王」では

総単語数7646語の中で

150語が全体の約70%

270語が全体の約80%

530語が全体の約90%

 

「アベンジャーズ」では

総単語数9110語の中で

約220語が全体の約70%

約430語が全体の約80%

約930語が全体の約90%

 

やはり難易度は「アベンジャーズ」>>「ジョーカー」≒「アナと雪の女王」なのかもしれません。

 

また、この数字を見ると570語を覚えたら「ジョーカー」のほとんどがわかるんじゃないのと思われるかもしれません。

 

「海外ドラマはたった350の単語でできている」という本に記載されていましたが、海外ドラマのセリフの80%は350語のシンプルな単語で構成されているそうです。

 

これは「ジョーカー」でみると、海外ドラマよりも少ない290個の単語が全体の80%を占めています。

そのため、「ジョーカー」は海外ドラマよりも少し易しいかもしれません。

 

ただ、全体の約90%を占める約570語を知っていれば「ジョーカー」を英語で聞いても理解できると思われるのではないでしょうか。

 

中学英語の必修単語数約1200語の半分もないたった570語です。

 

でもそんなに簡単なように感じられないのはなぜでしょうか。

 

1回使用の単語が全体の約52%

使用単語数1247個の中で

1回しか出てこない単語数653語が全体の約52%

2回しか出てこない単語数177語が全体の約14%

合わせて全体の約52%を占めています。

 

「アナと雪の女王」は約52%

「アベンジャーズ」は約58%

です。

 

ここでも難易度は「アベンジャーズ」>>「ジョーカー」≒「アナと雪の女王」となりました。

 

また、一般的に知っている単語数が90~95%以上の文章でないと、未知の単語を推測しながらでも理解しながら読むことはできないと言われています。

 

そのため、「ジョーカー」の570語が全体の約90%だったとしても、この1、2回しか出てこない単語をある程度知っていないとやっぱり理解できないと言うことです。

 

しかも、これは聞き取れる単語数が90~95%以上必要であるということです。

やはり、使用単語数1247語は理解する必要があるということでしょう。

 

しかし、諦めるのはまだ早い。

たかが中学必修単語1200語からたったの47個増えただけです。

そんなに高いハードルではありません。

 

ではその単語の中身を頻出順に見ていきたいと思います。

 

頻出単語BEST20

順位 単語 回数
1 you  378
2 it  179
3 the  176
4 to  147
5 that  132
6 and  126
7 what  97
8 of  94
9 is  85
10 me  73
11 know  71
12 on  68
13 my  67
14 are 65
15 in  63
16 this  61
17 for  59
18 no  53
19 we  53
20 your  49

 

これは勇気が湧いてくるのではないでしょうか。
すべて 中学1年生で習う単語のみです! 

 

さらに面白いのは「アナと雪の女王」「アベンジャーズ」と比較するとトップ4は、「you」の1位は同じで、2~4位は順番が入れ替わっただけです。

 

さらに「アナと雪の女王」と比較すると20個中15個。

「アベンジャーズ」と比較すると20個中17個。

は順位の入れ替わりがありますが同じ単語が含まれています。

 

今度は品詞別に見てみましょう。

 

頻出名詞BEST20

順位 単語 回数
1 arthur 38
2 one 33
3 murray 29
4 guy 23
5 life 21
6 mother 19
7 people 19
8 time 19
9 clown 18
10 show 18
11 man 16
12 wayne 15
13 city 14
14 name 13
15 mom 12
16 something 12
17 day 12
18 joke 11
19 kid 10
20 nothing 10


固有名詞がいくつかありますが、これも 中学校で習う単語ばかりです! 

 

頻出動詞BEST20

順位 単語 回数
1 know 74
2 get 60
3 come 45
4 say 43
5 think 43
6 go 36
7 tell 35
8 see 27
9 make 25
10 hear 21
11 want 21
12 let 20
13 look 20
14 thank 19
15 take 17
16 talk 16
17 stop 14
18 work 14
19 kill 12
20 stand 12

 

やはり中学校で習う単語ばかりです!


頻出形容詞BEST20

順位 単語 回数
1 good 31
2 funny 23
3 happy 22
4 okay 20
5 awful 10
6 crazy 9
7 little 9
8 last 9
9 great 9
10 new 8
11 f*cking 6
12 wrong 6
13 young 6
14 hard 6
15 bad 6
16 real 6
17 big 6
18 next 6
19 right 6
20 nice 5

 ※一部の単語のスペルを*に変えています。

 

少しバイオレンスっぽい単語がありますが、 これもほとんどが中学校で習う単語ばかりです!

 

「awful」が学校英語では見慣れないかもしれません。

これは海外ドラマ、映画、アニメなど日常会話ではよく使われる表現で「ひどい」というときに使う言葉です。

日本語の悪い意味の「ヤバい」に近いかもしれません。

反対の意味は「awesome」です。

セットで覚えると使いやすい言葉です。

 

 「アナと雪の女王」などでも使われる言葉なので、汚い言葉ではありません。

 

2回以上使用される難しい単語

では難しい単語はどのくらいあるのでしょうか。

中学校では習わない単語を中心に2回以上使用されている単語を選びました。

gonna  25
awful  10
comedian  8
comedy  7
garbage  6
sh*t  6
mayor  5
adopted  5
wanna  4
bullsh*t  4
detective  4
medication  3
audience  3
material  3
a**hole  3
punchline  3
upset  2
civ  2
buddy  2
tragedy  2
murders  2
fortunate  2
residents  2
funding  2
delusional  2
recently  2
realize  2
committed  2
aware  2
paperwork  2
stompin  2
spinnin  2
puppet  2
pauper  2
pirate  2
poet  2
pawn  2
deny  2
political  2
abandons  2
treats  2
trash  2
deserve  2

※一部の単語のスペルを*に変えています。

 

全部で43個あり、刑事ドラマやアクション映画で使われる単語が多いですが、ほとんどが高校で習う単語ばかりです。

他の2回以上使用される単語のほとんどは中学校で習う単語ばかりでした。

それほど難しくはないように思います。

 

1回のみ使用される難しい単語

1回しか出てこない単語数653語のうち、中学校で習わない単語は206個あり、約32%を占めています。

 

206個の単語の多くは高校で習う単語ばかりです。

バイオレンスっぽい単語や、汚い表現はありますが、スラングも少なく、高校英語でもメジャーな単語が多い印象でした。

 

単語の難易度

使用単語数1247個中、中学校で習う単語は990個で全体の約79%です。

中学校で習わない単語は257個で全体の約21%です。

 

「アナと雪の女王」の場合、中学校で習わない単語は191個で全体の約16%です。

「アベンジャーズ」の場合、中学校で習わない単語は444個で全体の約24%です。

 

難易度は「アベンジャーズ」>「ジョーカー」>「アナと雪の女王」であることがはっきりしました。

 

「アベンジャーズ」と「ジョーカー」の差は、セリフの多さが影響していると思われます。

「アベンジャーズ」はSFの要素が多いため、状況や設定の説明が「ジョーカー」よりも必要である点がセリフを多くし、難易度に差が出たのではないかと思われます。

 

「ジョーカー」の中学校で習わない単語数を、実際に数字で見てみると、その257個が多く感じるかどうかは個人によるとは思いますが、「ジョーカー」がそれほど英語で聞くのに難しい映画ではないと思われます。

 

しかも、その257個の多くは高校で習う単語がほとんどです。

 

海外ドラマの場合は、スラングが多く、簡単な単語でも本来の意味と全く違う意味で使われていることも多々あります。

 

また、アメリカのドラマだとアメリカで人気のテレビ番組などが、ネタにさることもあり、アメリカの文化についての理解など背景知識も必要になってきます。

 

しかし、映画は、全世界の様々な地域の、様々な年代の方をターゲットにしているため、予備知識も少なくていいように、表現も一般的な言葉が選ばれているように感じます。

 

そのため「ジョーカー」も一般的な海外ドラマよりは簡単だと思います。

 

 中学校で習う文法、単語を理解しており、単語を頑張って覚えれば「ジョーカー」を英語で見ても理解できるということが分かります。

 

そして、高校で習う文法、単語を理解していれば、「ジョーカー」を英語で見ても理解できるということが分かります。

 

さらにアクションが好きな方は、カタカナでも聞きなれた用語も多いので理解しやすいと思います。

 

後に残された問題は聞き取れるかどうかです。

 

尚、中学校で習う習わないの基準は、主観による判断ではありますが、長年学校英語に関わり、中学生用の英語教材を作成した経験をもとに判断しておりますので、ある程度正確かと思われます。

 

リスニング力を鍛えるには

リスニングの基本となる能力を鍛えるためにおすすめの方法は、ディクテーションです。

ディクテーションとは聞いた英文を文字に起こすことです。

 

ディクテーションをすると、すべての単語を聞き取ろうと耳を傾けるのでリスニングの集中力が大きく伸び、前置詞や冠詞、時制といった細かい点にも敏感になります。

そして、正確なリスニング力がつきます。

 

正確なリスニング力がつけば、映画「ジョーカー」も英語で見てもしっかり聞き取れるはずです。

 

詳細の方法についてはこちらの記事をご覧ください。

jukupapa.hatenablog.com

 

具体的な映画を使った英語学習もご紹介します。

 

 海外映画を使った英語学習方法

①映画を字幕なし、英語音声で聞く。

②映画のスクリプト、台本を読む。

③再度映画を字幕なし、英語音声で聞く。

 

個人差があると思いますが、この順番で見ると2回目に映画を見たときに聞き取れる単語が劇的に増えます。

 

詳細の方法についてはこちらの記事をご覧ください。

jukupapa.hatenablog.com

 

映画を英語で見ることが難しい他の理由

単語が聞き取ることができるが、内容が理解できない場合は、英語と日本語の語順に違いがあることが影響しています。

 

特に日本の英語教育に慣れ親しんだ方の場合、英語を日本語の語順に直して理解しようとするクセが付いていることがあります。

英語の論文など、一字一句誤解のないように読むにはその方法も有効ですが、リスニングや英会話では時として、その思考方法が障害になる場合があります。

 

リスニングの場合、聞いた内容を理解しながら、英語を日本語の語順に置き換えて理解することはとても高度な技術が必要です。

そのため、英語を英語の語順のまま理解することが、英語を理解しながら聞き取るためには必要です。

 

しかし、いきなり英語の語順のまま理解すると言われても難しいので、まずは英語の意味の塊ごとに理解して行くことを意識してみましょう。

 

日本語を習い始めたばかりの外国人が、片言の日本語を話す様子をイメージしてみてください。

外国人にとっても日本語は語順が違うため、とても難しい言語です。

そのため、外国人が話す片言の日本語は、語順が英語に近くなります。

 

「私は 来ました 日本に 昨日」

「あなたは 好きですか この料理 私が 作った」

 

日本語は語順が変わっても理解できる言葉なので、このように話されても十分理解できます。

その日本語の語順の自由さを利用して、英語を理解していきます。

そうすれば、この日本語と英語の語順の違いにも対応できるようになります。

 

海外ドラマ、映画、アニメを英語で見ることが難しい理由については、こちらの記事で詳しく説明しています。

jukupapa.hatenablog.com

 

最後に

英語は楽しみながら学習することができます。

 

今回「ジョーカー」を選んだのは、予想としてスラングや、汚い表現が多く、「アベンジャーズ」よりも難しいだろうと考えたからです。

 

しかし、実際は「アベンジャーズ」よりも使用されている英単語の難易度は低く、汚い表現はあるものの、スラングも予想に反して少ない印象でした。

 

「ジョーカー」は良い意味で期待を裏切ってくれたと思います。

 

海外映画を英語で楽しむ!

思っていたよりも簡単にできそうな気がしませんか?

 

やり方を工夫すれば、海外ドラマ、映画、アニメを英語で楽しむことはそんなに難しいことではありません。

 

皆様の参考になれば幸いです。

皆様のご意見、ご感想、またはおすすめの方法、取り組んで良かったことなども教えて下さい。

お気軽にコメントして頂ければと思います。

 

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